2008年11月の日記です。
10月分 当月へ 12月


2008年11月28日(金)
眠ります、布団に潜ってぐっすりと

寒さが厳しくなるに連れて冬眠本能が刺激されているらしくとにかく眠いです。ちょいちょいと忙しくなってきたのも相まって、隙があれば寝てます。(このレベルで忙しいって言ってたら本気で多忙な人々にタコ殴りされそうですが)家庭内体力値ゲージ激短なのでご勘弁を。

今日ようやくモル用ヒーター(でも犬用)を買いました。小動物用より安くて大きく性能同じ。さっそく茶実さんがべったりと寛いでいらっしゃいます。週末大工して、2モルが隠れられるスペースを増設する予定。
今日もヘッドフォン買えませんでした。あう。

2008年11月26日(水)
買えなかった
仕事帰りに・・・と思っていたヘッドフォンと延長コード、仕事まで延長になっちゃって、結局今日もコーラス&サウンド途切れ途切れで聞いています。イアホンだとすぐ耳穴が痛くなるので外掛けタイプが好みです。 
またチロルの新作が! イトー○ーカ堂系限定のパックチロル、めっちゃ気になるのにうちの近所にはヨー○堂系まったくないんですが!! ロー○ン限定のクリスマスパックは買えそうだけど、18個は消費できそうにないな。新作は気になるけど「これはっ!!」って大当たりに最近めぐり合ってない気がします。

何でうちの近所でスレ新装版売ってないんだー!!
ドラマガは買えたけど、ひょうたんな15巻はまだ手に入れられてません。ファルシェスはどうしようかな・・・レジェ持ってるから加筆がないのなら微妙。 ちょっとへこんで帰宅したら、某買い物探検隊のお礼で貰えた入浴剤が届いたので少し浮上。更に家族が懸賞で携帯ゲーム機当たってたのが判明。今年に入って2台目。それは私にモンハンやれって啓示ですかそうですか。彼女の引きの強さにあやかりたい。
2008年11月24日(月)
いとしのヘッドフォンさんが

昨日から主音を聞かせてくれなくなってしまいました。
コードの中で一部断線してるんだろうけど、メインボーカルが微かにしか聞こえなくて、コーラス部分のみが強調されてます。歌詞カードに掲載されていない部分が聞こえるのはいいんだけど、やっぱ新しいのを買わなきゃダメかな〜と。
思った今、ふと。グアッ!!とステレオ音量爆上げしたらメインボーカル帰って来た!! なんか嬉しい!! 
バンザイ!!

楽観視して聞いていたら今度は片方だけ音飛んだりし始めた・・・。明日やっすいのでいいから代理買ってこよ。


寒い話をジリジリ書いていて、そろそろ妄想投下も纏めにかからねばと思い始めました。
加筆にしろ修正にしろ、出来る事はちゃんとしなくちゃ。

もうすぐ12月、今年も残す所一ヶ月と一週間。
集中してやらなきゃならない事があるので、たぶん12月は更新頻度通常レベルか通常以下になると思います。

クリスマス等のイベント時更新もまったくの未定。
ここでやってる妄想投下で許されるなら、可能なら書きたいですが無理だったらサックリ諦めますので。

サイト内改装もしたいんですが、デザインセンス皆無なのと大掛かりな事は嫌いなのでどうしたものかと。
短い話ページがスクロール長くなりすぎているので、2つに分けるか展示法を変えるか。サイト内あちこちに散らばっているお話を纏めて展示する方がいいのか。

優柔不断者の悩みは尽きません・・・。

2008年11月23日(日)
終わらない

下の「寒い話」が終わりません。
いつものように妄想のモウを書こうと日記を開いて気の向くままにガシガシ打ち込んでいたんですが、中々ラストまで辿り着けない割りに書いてる本人はあれこれシチュが脳内に湧いてめっちゃ楽しいんです。終わるまでたぶん後数日かかる気がするんですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです。
続きはそのまま下に続けていって、完成したら手直しする所はしてお話部屋に収納します。
この半月、あれこれ日記での一発書きを続けていて感じるのは、「勢いって大事だ!!」です。 鉄は熱いうちに打ては真です。
湧いた妄想はフレッシュなうちに書き上げるのが肝要なのです。
逆に欠点もあれこれ自分で気がついているんですが、それは今後の課題にして。とにもかくにも一旦脳内に鮮明に浮かんだ「絵」を捕まえられると強いです。
このシチュを書きたい!から始めて、書いてるうちにあれこれどんどんイメージが膨らんで湧いて出るのが楽しい。
逆に書けないでいる時には全然「絵」が浮かんでこないので、どれだけキーボードの前で足掻こうと無駄なようです。
そんな時、ポチッと押して下さる拍手にコメントに、やる気をがっつりもらってます!! 本当にありがとうございます!!

では、引き続き作業続行してきま〜す。
(ちなみに今、善人なんだろうな。)のとこです。
ちみっとでも楽しんでもらえているといいな。

2008年11月22日(土)
寒い話
ザクザクと濡れた砂を踏みしめて。
何となく場違い的に、一人歩くは夜の海岸線。
ちょっとした仕事を終えた気分転換にと、車を止めて防波堤から砂地へ降りてしばらく、特に目的もなく足の向いた方に歩いてみる。
冬真近の冷たい空気は幸いな事に凪いでいて、首を竦めるほどじゃない。ふと見上げた、雲一つない空に浮かんだ見事な満月と瞬く星々が目に痛いほど美しく。
街灯などない、こんな場所でなけりゃこうも綺麗に見えないのだろうと、暫し足を止めて空を眺めていると。
「ぷしっ!」
どこからか聞こえたくしゃみの音。
最初こそ聞き間違いかと思ったが、打ち寄せる波音に混じって「くしゅん!」と。2度目が聞こえた時点で『誰かがいる』と確信した。したはいいがきょろりと周囲を見回して見てもそれらしき人影はなし。
こんな辺鄙な、しかもこの時間に自分の他にいったいどんな奴がいるんだろう。
何となく興味を引かれてくしゃみの主を探し歩いて。
三度目の「へっくしょん!」で、出所の目星が着いた。
ほとんど波打ち際かという砂地に大きな何かが転がっていた。最初丸太かなんかだろうと意識せずにいた『それ』はよくよく見るとプルプル震えているようだった。

「なんだぁ?」
まさかいきなり襲ってきたりせんよなぁ・・・。
そろりそろりと静かに、そいつを刺激しないよう足を忍ばせながら近づいて見て驚いた。
暗い色の砂地に転がる・・・もとい、倒れていたのは女の子。いや、この場合女の魚っていうのか?いやいやもっといい呼び名があったはずだぞ。半魚人?とりあえず腰から下は見た目まんま魚だぞ?
「・・・うううっ、さぶい・・・凍える・・・」
その子は濡れた砂地にうつ伏せに倒れたまま「・・・寒い・・・凍える・・・もうだめ・・・」と。天へと伸ばした手が、パタ・・・と、砂の上に落ちて力尽きた。
「わーっ!! 死ぬなー!!」
とにかく助けてやらなけりゃと、慌てて着ていたコートを脱いで魚な彼女に掛け、寒がってたのを思い出してとりあえず温めようと、ぐったりした身体を抱き上げ急いで車に駆け戻り暖房を最強に入れてみたが、寒そうにカチカチと歯を鳴らす彼女を温めるには足りていないようだった。


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全身を包む温かさに、あたしはホウッと安堵の息を漏らした。
ピチャン。耳元に落ちる水滴の音と頬にかかった冷たい飛沫に驚いて目を開く。
と、同時に「おおっ! 気がついたか!!」
目と鼻の先に他人の顔が!!
「ぅぎゃあっ!!」
咄嗟に両手で押し退けてしまったのは・・・まぁ、人として当然の反応だったと納得してもらいたい。その結果が、押し退けられた勢いでシャワーヘッドで背中強打&カランにもぶち当たったらしく頭からザバザバお湯被って全身ずぶ濡れになったのは不幸な偶然が重なっちゃったという事で。

とにもかくにも、今現在あたしがいる場所が地獄の如き極寒の砂浜ではなくどこかの家だかホテルだかのバスルームなのは判った。けど、何であたしはここにいるんだろう。
「ったたたた。酷いなぁ」ようやくシャワーを止めてよろよろと立ち上がった人物は、やたらと髪の長い男の人。

痛みに顔をしかめつつもあたしの方にヌッと手を伸ばしてくるもんだから、思わず「痴漢!」と叫んでしまった。
すると男はきょとん、とした顔で「痴漢?どこだ!?」と振り返って後ろを見てるし。なんか、悪い人じゃなさそうだけど。
とりあえず現状を把握しなくちゃ始まんないと、とりあえず自分の衣服を確認する。
上半身は・・・と、うん。ずれてない。
下半身は見るまでもなく腰から下に感じる圧迫感で異常なし。
「ところでお前さん、一体何者なんだ?その尻尾とかヒレとか」
子供がするような「興味津々」顔で、男はあたしの下半身を指差し聞いてきた。
「えと、話せば長くなるんだけど・・・。とにかく、一旦外に出てくれない?」気を抜きかけた瞬間、催した感覚に眉をしかめつつ男に頼んだ。
「外に、って、外に出てるうちに排水溝から出て行くつもりじゃないだろうな?」「そんな芸当できるかー!!」手近にあった桶を投げつけて、とりあえず彼には浴室からご退場願って・・・と。
腰にある隠しファスナーに手を伸ばして、一気に引き下ろした。
鮮やかな赤い鱗が張り付いた皮から両足を引き出して、ようやく足にかかっていた圧迫感から介抱された。
鏡に映った自分の姿は、腰下から人の下半身と魚の胴体が揃って生えているような状態なので不恰好な事はなはだしいのだが、上半身に圧着してある部分は一度剥がしちゃうと戻すのが大変なのでそのままにしておいて。半透明のパーテーションに仕切られたトイレを見つけて、用を足して。
さて、どうしたもんだろう。あたしの事を人魚だと勘違いしてるらしい男になんと説明するべきかと悩みながら、とりあえず浴室に戻って。
そこだけがとても暖かい事に気がついた。
耳を澄ませば天井のダクトから暖気が噴出してるし、浴槽にはたっぷりとお湯が張られていて、脇にはなぜか「赤穂の荒塩」の空き袋が。まさかと中のお湯を舐めてみると・・・しょっぱい。
これは、まさか本気で人魚だと思われてる!?いくらこの特注ドライスーツの出来がいいからって、漫画じゃあるまいに、いい年した大人が幻想上の生き物の存在を信じたりする!?
ま、UMAだの、心霊だのが好きな人種がいるのは認めるけど。
「もういいか〜?」
コンコン。
扉の外から声をかけられて、「ま、まだダメッ!!」と慌てて返事をして、足をぎゅむっと魚皮の中に押し込みファスナーを引っ張り上げた。とりあえず身体を隠すものがコレ以外にない以上、仕方がない。
「いいわよ」
強引に着たドライスーツの中で密着してる肌が一部引っ張れてて気持ち悪いけど、この際我慢。
「開けるぞ?」と一声、一呼吸分置いてから静かに扉が開いて、再び男が入ってきた。手にはコンビニのものらしいビニール袋を提げている。改めて観察してみると本当に背が高くて、長い髪は綺麗な金色。ハンサムな部類に入るだろう顔は優しげで、綺麗なブルーアイズがあたしを見て細められる。
「寒くないか?」
「大丈夫、ありがと」
ニッコリ笑って礼を言うと、彼は「どういたしまして」と。心底安心した風に微笑んでみせた。
ああ、この人は本当に善人なんだろうな。
そう思ったのに!
「腹減ってないか?」って差し出されたもの。
『お徳用 色揚げゴールデンフィッシュ』なるビニールパッケージ。
「・・・・・・」
何となく受け取ってしまったけど、これをいったいどうしろと?
「いやぁ、コンビニだとそれしかなくてな」
ニコニコ笑いながら、嬉しそうにあたしを見つめてる男の顔目がけて「こんなもん食うか〜!!」と投げつけた。
残念ながら間一髪で受け止めたらしい男の手から、コンビニ袋がボトッと落ちて。中からおにぎりが転がり出てきたので、しっかり全部確保し「こっち貰うわね」パッケージを剥いで一つ目に齧り付く。
「それ、共食いにならんのか?」
嫌そうにおにぎりを指差されて、齧った箇所を見ると塩ジャケがお米の中から覗いている。
「あたし、鮭じゃないからいーのよ」もぐっ。ああ、何時間ぶりのご飯だろう。そういや撮影チームの皆はどうしてるんだろ。あたしがいなくなって今頃慌てて探してそうだし。・・・警察とかに連絡されると面倒だし、早く連絡した方がいいわよね。
「どうした?口に合わんのか?」
わしわしとあたしの頭を撫で繰り回しながら男が聞くので「そうじゃないけど。 あたし、あの砂浜からの記憶がないんだけど?」と聞き返す。男はどうやってあたしをココに運んだんだろうか。つか、ここはどこなのか、男は何者なのか。この状況下でのんきにおにぎり食べてる場合じゃないのかもしれないけど、何となく危機感を感じないのは彼の纏う雰囲気のせいなのかもしれないけど。

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砂浜からの記憶がない。
そりゃそうだろう、オレが抱き上げた時には凍えて意識がなかったし。車に運び込んで腕やら背中やらゴシゴシ擦りたてても全然反応なかったし、ここに担ぎ込んで湯船に寝かせても中々目覚めなかったし。とりあえず海の生き物らしいからと、塩を入れたぬるま湯に浸けて様子を見ていたら、身体が温まってきたのか真っ青だった頬にじわじわ血の気が戻ってきたのを見て、処置は間違っていなかったんだと胸を撫で下ろしたんだ。
今は浴室の床に座って元気におにぎり齧ってるけど、発見した当初は今にも死んじまうんじゃないかと焦りまくった。

明かりの下で改めて彼女の事を観察する。
黒だと思っていた髪は、本当は栗色だと知った。強い光を放つ綺麗な赤い瞳を持った少女と魚類の混ざり合った不思議な生き物。触れた頬の感触は人間の肌そのものなのに、胸から下へと、皮膚からなだらかに鱗へと変化していくしなやかなゴムのような肌と腰からヒラリと生えている一対のヒレ。更に尾びれに向かって緩やかに細っていく身体はまさしく魚のそれで。人の足よりもやや長い魚部分は、尾ビレの付け根で片手で掴める程細くなって、子供の頃、夜店の金魚すくいで狙った3つ尾の金魚みたいな、扇のように華やかに広がっている。
「あんまりジロジロ見ないでくれる?」
むっとした声に我に返ると、食事を終えたらしい彼女が手を出していたので、細くて白い手を掴むと「違う!」と振り払われた。
「なんだ?」何がしたいのかと思ったら、「電話を貸せ」と。
「海の中にも電話がかかるのか!?」驚いて声を上げたオレに「このご時世、あたし達だって文明の利器を使うわよ」と言ってのけた。
部屋備え付けの電話はコードレスではなかったので、オレの携帯を貸すと、すぐに彼女は滑らかな動きでボタンを押し始めた。すぐにどこかに繋がったらしく「とりあえず無事」だの「今はどこにいる」だのと矢継ぎ早にまくし立ててる。
「ね、ここはどこら辺?」いきなり聞かれて途惑ったが、あの場所からさほど離れていないホテルだと正直に答えた。それをそのまま電話の相手に伝えると、彼女は通話を終えて、画面を見ながら数度ボタンを操作してから携帯をオレに返してくれた。
もしかして・・・「履歴消しただろ!」
しまった、と思っても後の祭り。
迎えが来たら、それっきり二度と彼女と会う事は出来なくなるだろう。
唯一の繋がりになる筈だった情報を目の前で失ってしまった事がとんでもなく悔しい。

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「ね、なんであたしに拘るの?」
諦め悪く、真剣な顔で携帯を操作している男に声を掛けた。
「なんでって、そりゃあ・・・」何かを言いかけて、男は急に黙り込んでしまった。
「言っとくけど、あたしの肉を食べたって不老不死にはなれないし、水族館とか研究機関に売り払おうとしても無駄よ。一円にもなりやしないもの」実際一皮剥いたらただの人間だし。
ま、人魚の伝承は世界各地にある。もし男がそれを知っていて人魚を利用しようと・・・って、この人は。
「ま、あなたはそんな事、しやしないでしょうけど」手を伸ばし、そっと男の頬に触れて、笑って言ったら「なんでだ?」と、男は腕を組んで首を傾げ「見ず知らずの人間を無闇に信じちゃだめだ」と真面目な顔であたしに忠告までしてくる始末。
「あたし、これでも人を見る目はあるつもりよ?」
ニッと口角を上げて思い切り笑ってみせたら、男もニカッと笑って。
「人魚様に信用してもらえて光栄だよ」と、照れ隠しなのか自分の髪をワシャワシャとかき混ぜてた。

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ポーン。
しばらくして、インターフォンが鳴った。
「とうとうお迎えがきちまったな」
重たげに腰を上げて、男が浴室から出て行って。
すぐに「リナさん! 良かった!!」扉を壊さんばかりの勢いでアメリアが飛び込んできた。
「本当に、ほんっとうに心配したんですよ! ちょっとバッテリー交換に戻ってる間にいなくなるから、波に攫われたんじゃないかって!!」
べったりあたしに抱きついて騒ぐアメリアの背後から姿を見せたチームの面々は、なぜか一人を除いてぐったり疲れた顔をしていた。
「てめぇ・・・俺らの心配を返しやがれ。 一人だけぬくぬく寛ぎやがって」ブスッとした顔で愚痴ったルークに「あなたがきちんとバッテリーチェックをしていれば彼女を一人にする事もなかったのよ」と、冷たく突っ込んだのはミリーナ。彼女だけが普段通りで、毛布を抱えてやってきたゼルガディスも「お前の事だから無事だろうとは思っていたが・・・よもや本物と間違われているとは思わなかったぞ」と苦笑いしている。
「だいたいね、いくらこれが特注品だって言ったって、下半身はともかく肩とか背中とか剥きだしでめちゃめちゃ寒かったんだから!! あの人が助けてくれてなきゃ、あたし本気で凍死してたわよ!!」






(続きは翌日に)
2008年11月19日(水)

ガチャン、と言う音を立て冷蔵庫の扉を開く。
最初に見つけたのは大皿に重ね盛られた
おにぎりの山。真白の三角ばかりがもりもりと盛られてラップが掛けられていて。どれにも海苔は巻いてなくて、これは塩にぎりなんだろうかそれとも中に具は入っているのだろうかと、扉に手をかけたまましゃがみこんで、真っ白な山を眺めていた。

次の日、見つけたのは鶏肉と野菜の煮ものだった。これもやはり大きな鉢に盛り付けられていて、淡い煮汁の色が美味しそうだなと思った。一口サイズよりやや大きな鶏肉の皮に浮かんだ毛穴(羽根穴か?)が妙に気になって見つめていると、掛けられたラップの内側に張り付いていた水滴がポタリと落ちた。

3日目、白いパン粉と、薄く浮き上がった卵の黄色を纏った豚カツが出てきた。後は揚げるだけの状態に支度されて、でっかいタッパーの中にこれでもかと詰め込まれている。迂闊に取り出したら衣を剥いじまいそうで、結局手を付けずに扉を閉める。揚げるったって温度なんか判らんしなぁと、ちょっと悩んで電話を掛けた。

4日目、うすら寒い庫内には、めぼしいものは何もなかった。使いかけの調味料と、脱臭剤と酒の瓶と缶が少々。片隅に小皿に盛られたきゅうりとなすの浅漬け。これは昨日あったか?とりあえず茶漬けにするかと取り出してみたものの、炊飯器の中に米はなく。
口寂しいなと齧った浅漬けは、塩が強くてしっとりと冷たかった。


5日目。
「少しは自分でどうにかしようとか思わないわけ? この時期はあたし、スケジュールきついから大したもの作れないわよって言っといたのに!」
ドカドカ、ぎゅむぎゅむ、どたん、ぱた。
大量の買い物袋から取り出されては冷蔵庫に詰め込まれる食材達。肉に魚に野菜に加工品。真っ赤な「本日の目玉!!」シールがいくつも貼ってあった。
「まったく、特売日とあたしの休みが重なってたのはラッキーだったけど! せめて自分でご飯を炊いて、卵とハム焼いたり味噌汁作ったり位しなさいよね。 昨日ゼルに「揚げるのを頼まれた」って聞いたわよ?」
手際良く必要なものをより分けながら、リナが台所に陣取っている。
栗色の髪がリズミカルな包丁の動きに合わせてゆらゆら揺れて。
「そりゃ、一人のご飯が美味しくないってのは判るわよ? だからって温めたり焼いたりの手間を惜しんだらもっと美味しくないに決まってるじゃない」次々と飛び出す小言や、調理の為の音。
パタンと閉まる冷蔵庫の扉。
オレが覗いた時にはただ「冷たい寒い」としか感じなかった冷蔵庫なのに、リナが開くとなぜだか白い明かりも温かみを帯びて見える。
収まっているのはどれもこれも手を加えなければ食べられないものばかり。開くだけで食べられる総菜なんか一つもない。
「すまん、今度から気をつける」
何か手伝えることはないかと手を洗って、リナの隣に立つ。
一人の時は煩わしいだけの場所が、二人なら妙に楽しくなるのかとちょっと笑えた。


妄想にもならないモウでした。
ガウさん、リナさんがいないと食欲湧かなかった模様。
ゼルは一人暮らしで結構マメに自炊してそう。「その位自分でできるだろうが」とか文句言いつつ豚カツ揚げてキャベツ刻んでご飯炊くだけ炊いたら即帰ったっぽい。
では、おやすみなさいませ。

2008年11月19日(水)
寒いっ!!
朝から寒いとは思っていましたが夜になったらもっと寒くてキー叩く指の動きが鈍くなってしょうがないです。
まだ11月なんですがこれだけ寒いとコタツを引っぱり出したくなりますね。あと湯たぽん抱っこと室内コート着用と手袋&マフラー装備とか。
皆様くれぐれも体調管理にはお気を付け下さいませ。
プリンチロル2種と博多あまおうチロルを摘みつつ、お布団の中へ退却〜。
2008年11月18日(火)
拍手ありがとうございます!!
毎日拍手にポチっとクリック&コメントをありがとうございます!! すごく嬉しいです!!
えと、大変申し訳ないのですが、コメント下さった方へのお返事は今晩、落ち着いてからにさせて下さい。
(ただいまAM2:32 寝ぼけた脳でお返事書くのは失礼だと思うので)
さっきまで添い寝の8を手直し・・・というよりほぼ書きなおししていました。正直、この話は最初からあちこち、いや、むしろ全部まるっと修正したい!!んですが、それ始めるとキリがないのでこのまま走るつもりです。書き始めの頃は確かに「これでよし」と思ったわけですし、若気の至りのご愛敬って事でどうぞご勘弁を。
では、おやすみなさいませ。


あっという間に日付の変わる一時間前ですこんばんは。
すっかり遅くなってしまいましたが、拍手にいただいたメッセージのお返事、書かせていただきますね♪

15日 23:27〜ガウリイに〜なので自重します〜の方
いらっしゃいませv 正直に告白させていただきますと、メッセージ拝見した瞬間思いっきり噴きました(笑)
ええ、ぜひその発言は自重されませんと後ろから殺気を纏った紫色の刀身がほら・・・!! 
リナさんが愛でられているっていったいどこで?とかガウがリナの嫁だったら衣装はやっぱりララ・・・(どこからともなく指弾が飛んできて脳天に命中。・・・しばらくお待ちください) 
ガウリナはお互い尻に敷きつつ敷かれつつ末長く仲良く暮らせばいいさ!!

楽しいメッセージをありがとうございました♪

16日 11:04 もふふわスコッティさん
〜あなたの(をい待テw)すこっちーです★
いらっしゃいませv え? 私の。って事は恵南さん独占しちゃっても良いの?(わくわくv)
じゃあ、追いガウ逃げリナ描いて♪そんでもって書いて♪<おっと、スコッティ愛が溢れて暴走返ししちまったい(汗)
映画を見る、読んで下さってありがとうございます。楽しんでいただけたようでホッとしてます。こちらこそ構っていただけると尾びれを振って喜びますんで!!どうぞよろしくです♪
ほわほわメッセージをありがとうございました♪


17日 21:38 添い寝話、続きが〜の方
いらっしゃいませv ずーっと止まりっぱなしの添い寝を気にかけて下さってありがとうございます!!  
お陰様で添い寝、少しですが書き進めることができました♪
やーっとの事で観念した(?)リナさんですが、まだまだ素直に、とは行かないようで(笑) ガウリイと一緒に今後の展開を楽しみにお待ちいただけると幸いです。 
嬉しいメッセージをありがとうございました♪ 


18日 14:34 添い寝話の更新〜の方
いらっしゃいませv 添い寝話を気にかけて下さって、更新を喜んで下さってありがとうございます!!♪ 
やーっとこさ、リナさん自ら言いました!!言ってくれました(笑)
まだまだ素直に甘えるには遠いのですが、その辺りはこの後ガウリイに頑張っていただくという事で。ぜひ「それいけガウリイ!!」と背中をドンと押してやって下さい!!
応援メッセージ、ありがとうございました♪
2008年11月15日(土)
昨夜は一体何だったんだ

っちゅう位に、すごく寒さを感じて重ね着しまくってたわけですが。単なる体調不良状態だったようです。
今日は比較的暖かだったこともあり、重ね着大将になるのは避けられました。代わりに半日布団の中ですごしましたが<マテ


合同お題にひとつ投下してきました。

2008年11月14日(金)
とりあえず寒いです。
湯たぽんを抱きつつ重ね着既に4枚靴下2枚履き、マフラーも装備でこれ打ってますこんばんは。
今からこの状態だと1月はきっと憧れの人間ダルマストーブに変身する事も可能となるでしょうきっと。
外見は悪いけど、めちゃめちゃ温かいんですよこれ。
2008年11月14日(金)
これはこれでありだなぁ。
リナが、何やら難しい顔で地図を睨んでいた。
次の目的地でも決めているのかと、剣の手入れをしながら様子を窺っていると、片手を伸ばして荷物袋の中を探りだした。
視線は地図に落としたままやっているもんだから、中々探しものは出てこない。
「何探してるんだ?」しょうがないなと、荷物袋を奪って聞いてみると、「中にちっちゃな皮袋があるのよ」と。
袋の口を大きく開ければ何の事はない、一番奥の隅っこに小さくなって突っ込まれていたそれを取って渡す。

「ありがと」
中から出てきたのは、銀色の小さな矢じりのようなもの。尖った先端を下に向ける形で吊下げられるようになっている。細い糸でぷらんとぶら下げたそれをリナは地図の上に持っていき、目を閉じ呼吸を整えて、言った。

「ナーガが絶対に来られない場所を示せ!!」と。
「ナーガって誰なんだ?」
「・・・世の中には、知らない方がいいこともあるのよ」
真剣な顔で地図と矢じりの示す先を凝視するリナに、俺が言えることは何もなかった。
2008年11月13日(木)
彼女の摘んだ糸の先には
紡錘形の金属が下がっていた。
何やら難しい顔をして机の上に広げた地図の上を、ゆっくり移動させては止めて、また動かして。
「なあ、何やってるんだ?」
「ダウジング」
簡潔すぎる返答に苦笑しつつ「そのダンシングってやつで何か分かるのか?」とボケてみる。
「ダンシングじゃなくて、ダウジング。これで良い反応がでたとこに行こうかなって」

「それで次の目的地を決めてるのか?」ダウジングってのはL字型の針金を2本、両手で持って歩いて、勝手に先が開いた場所から水が出るとか出ないとかって言ってたなぁ・・・。こういうやりかたもあるのか。
「反応って、何に反応するんだ?」
まさか盗賊のアジトとか言わないだろうな?
「んー。美味しいごはんのありか〜」
「それならオレも楽しみだぞ♪」
「あと、住みやすい土地かどうかってのも」
「そっか、住むのか〜って、ええっ!?」
あまりにもさらりと言われたので一瞬反応が遅れた。
「うえっ!? ちょ、リナ!? お前まさかそこに定住するつもりなのか!?」
「そーよ。そんで、ガウリイ間違ってる。あたしとあんたで住むんだって」あくまで平静を装いつつも、リナのうなじは既に赤く染まっているし、小刻みに震える指の動きが糸に伝わり、既に探索どころではなくなっている。
「二人でそこに住むのは一向に構わんが、急にどうしたんだ?」
そりゃあ、二人旅を続けてもう5年にもなるし実家の親父さんにも「いい加減孫の顔位見せやがれ」とかせっつかれたりもしていたが、リナは「まだまだあたしは世界ってやつをこの目で見て、その土地の美味しいものとか面白いものをたくさん食べて楽しみたいの!」って言ってたろうに。
「・・・あの、ね」
ここにはオレとリナしかいないのに、「もっと近くに来て」と呼ばれて。
小声で告げられた事実に、オレは浮かれに浮かれて盛大にリナを抱きしめて、抱き上げてキスをして、嬉しいと叫び、またキスをしたところでリナにしこたまどつかれた。
「もうっ! びっくりするじゃない!!」
絶対に照れ隠しも含まれてるだろう怒りっぷりも、めちゃめちゃ可愛いと思っちまうのは惚れた欲目だろうか。
跪き、まだ膨らみはないお腹に手を置き、耳を押し当てると、トクトクトク・・・。優しい音が聞こえてきた。

「ありがとう、な」
「どういたしまして」

二人が幸せそうに笑いあい、慈しみの籠った抱擁を交わす横で。
すっかり忘れ去られた糸の先は、まっすぐに彼らの方を指し示していた。


尻切れトンボ〜♪
突発的妄想文、お茶漬けでした。
2008年11月13日(木)
早朝から

良いものを見せていただきました♪
ちゃちゃりりさんとこから飛んだ15巻カバーイラスト!!
ガウリナお揃いってのがもう・・・!!

夜、あまりの寒さに一度布団に潜り込んだら朝まで出てこられません。湯たぽん抱いてゴロゴロする幸せv たまにはモルさん抱っこして寝てみたいけど迷惑だろうから自重します。

2008年11月11日(火)
舌の根も乾かぬうちに
やっちゃいました。妄想分、おかわり。
妄想投下は土曜で一旦終了のつもりが、そう発言したらしたで何やら湧いて書きたくなるのは私が天邪鬼・・・うっ、なんか違うな。
何かを選択した後で「やっぱりああしておけばよかった」と悪あがきする性のようです。

とりあえず昨日は肌寒さに縮こまりながら帰宅いたしました。
さっき暖を取るために、鶏卵うどんのうどん玉抜きを啜ってました。ようするにスーパーで売ってるビニールパックのうどん出汁に片栗でとろみをつけ、上から卵を流しいれて最後にすりおろした生姜をこれでもか!と投入で完成。刻んだ青ネギと七味唐辛子があればなお良しv めっちゃ体が温まるのでお勧めです。風邪の引き始めにはこれを食べて早寝するのが一番ですv

拍手ボタンにポチっとクリック、ありがとうございます♪
では、コメント返信ですv

9日 20:55 リナはオレの嫁 な方
だが認めんっ!!リナはガウリイの嫁なんでサーセンv
・・・って、こういう感じのお返事で良いのでしょうか?
あまり2ch流には詳しくないので、ハズしてしまってたら申し訳ありません。 コメントありがとうございました♪


10日 22:33 おかわりおかわりww の方
ちみっと戦闘ガウ丼(笑)で、おなか膨れましたでしょうか? 少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。 コメントありがとうございました♪

2008年11月9日(日)
総ての仮面を(突発的妄想分、おかわり)

取り払ったら、残ったのは彼女への想いだけだった。

「あいつをっ! 返しやがれっ!!」
ぎぃん!!噛みあった刃が嫌な音をあげる。
飛び交うは魔法の炎と漆黒の刃。衝撃に耐えきれず崩れ落ちる土壁からもうもうと埃が舞って視界を遮る。が、そんなもの今のオレには何の妨げにもなりはしない。視覚嗅覚聴覚触覚、そして生来のカンを研ぎ澄ませ、敵の攻撃をかわし、受け流し、はじき返して先へと進む。
ギッ!!とねめつけた先には、祭壇らしき石櫃の上でぐったりとしたリナの姿。
意識のない彼女に重なるように蠢くモノがケタケタと嗤った。
「おマえがたドリつくマえに、りナ=インばースは喰ワせてもらウ!」奴の甲高い哄笑にも、リナが目覚める気配は欠片もなかった。ただ意識がないだけなのか、それとも・・・まさか!?
最悪のパターンが浮かんだ瞬間、全身に怖気が駆け抜ける。
大丈夫だ、あいつはそんな簡単にやられる奴じゃない。奴らが喰らうのは負の感情と聞く。ならばオレから存分にせしめた後でしかリナを傷つけるメリットはなかろうに。
それでも、もし万が一の事態が起こったなら、オレは・・・。
力を溜め、思いきり石床を蹴り飛んで一気に奴との距離を縮める。奴の放った刃が数か所、体をかすめたがなに、そんなもんどうでもいい。リナさえ無事に戻るのならばな!!
知らず、口の端がギッと吊りあがる。
今は存分に喰らうがいいさ、それもあと数瞬の間。お前の大好物でお前を滅ぼしてやる!! 
『ヴォンッ』
オレの意思に呼応して、光の剣が唸りをあげる。握った柄から刀身へと負の感情を流し込む。イメージ通りにそれは成り、輝く刃はその光を濁らせる。
「貴様ごときが、リナに指一本触るんじゃねぇ!!」
横たわるリナを傷つけぬよう、横薙ぎに剣を一閃。
忌々しいモノを引き剥がし、塵芥へと還し。
「リナ!!」目覚めぬ彼女の頬を叩いて、ただただ目覚めを促した。だが、彼女は身動ぎひとつしやしなくて。
「今、医者に連れてってやるからな!!」
軽い身体を抱きあげて、出口を求め洞内を駆け巡った。だが、一向に外に通じる道が見つからない。
そうしている間にも、徐々にリナの呼吸が浅く弱くなっていく。
わずかだが体温も下がり始めているようだった。
「ちくしょうっ!!」
オレの命が移ればいい。命の灯火を分け与えることができるのならば、オレのを全部お前さんにやるから。
薄く開いた唇に、己のそれを重ね合わせ息を吹き込んだ。
戻って来い!!
帰って来い!!
頼む、オレを置いていかないでくれ!!
願いを込めて、何度も何度も角度を変えて口づけては脱力したままの身体を抱き締めていた。

このままリナを失うかもしれない。

その恐怖はオレからいとも簡単に正気を奪った。
その場に座り込み、リナの装備を全部外した。オレのも外し、その手で上着を脱ぎ、リナのも脱がせて素肌同士を密着させる。リナの背中から覆うように服やマントを掛け、上からごしごしと背中をこすった。少しでも体温を上げるために。
「リナ!! 起きろ!! 起きろって!!」
必死で呼びかけながら、ずり落ちそうになる身体をその都度引上げて、自分の肩に頭を凭れかけさせる。
サラサラと流れる髪を手のひらで掬い上げては、そこにも口づけて目覚めを乞う。
柔らかな頬にも折れそうなくらい細い喉にも白く清らかな胸にも唇を落としリナを乞うが、彼女の瞳は堅く閉ざされたまま目覚める気配は感じられなかった。

「それは保護者の範疇を超えていませんか?」
声は唐突だった。
「うるさい、リナを返せ!!」
振り向きもせず怒号を浴びせたガウリイに、ゼロスはいかにも気の毒そうな顔を作って見せ。
「僕は何もしちゃあいませんよ? 目覚めないのは呪のせいで」
さらりと核心を突く発言を吐くと、「じゃあ、タイムリミットまであと3分です。せいぜいがんばって解呪法を見つけて下さいね」そう言い残して姿を消した。
「呪・・・か」
たしか、昔聞いた話だと。

一途に、偽りなく彼女を愛する者の口づけが呪いを解く唯一の方法だった筈だ。
心を落ち着けて、ガウリイはリナに再びキスをして。
唇を重ねたまま、ひたすらに愛の言葉を囁き吹き込み続ける。
保護者でもなければ、相棒でもない。彼女を愛し、その総てを欲して一途に存続を願う、ただの男として。



2008年11月9日(日)
一応終わった一週間。
下の突文7で、とりあえず妄想の日記投下はいったん終了です。一部未完のままなのもありますが、それはおいおい加筆して来月あたりまとめてJunkか短いお話部屋に収納するつもりです。

さて、この一週間何をしていたかといいますと。
モルさんの怪我やら自分の虫歯治療だの子供の抜歯やらと、とにかく歯に関連した出来事が多かったような。子供なんぞ、歯科で2本、自力で1本乳歯を抜きましたからさぞ痛かったろうに。自分のは自業自得だけど、モルさんは本当に可哀そうだった。さっきチェックしたら折れた上歯は無事生えてきている様子なので一安心。

あとは・・・ひたすら仕事してた気がします。
今の職場、先月で同シフトの人が2人抜けてしまったのでほぼ独壇場状態なのです。製造計画やら仕込みやら、好き勝手にやらせてもらっているので楽しいです。これで保険関係もっとしっかり加入させてくれる職場だったら喜んでフルタイムで働かせていただきたいんだけどなぁ。新商品レシピが届くたびにワクワクしている今日この頃。

クリスマスが近づいて、街はキラキラした彩を増しつつも
私の懐の中には空っ風が吹いているので、今月の合言葉は「贅沢は敵だ!!」なのです。
2008年11月8日(土)
寒い夜には(突発的妄想文7)
二人ぴったりと寄り添って眠るようになってから、どの位になるだろうか。
先に断っておくが、あたし達は恋人同士でも夫婦でもないただの相棒という関係で。もちろん一度だってそういう雰囲気に流れた事実もなければ身の危険を感じた事もない。
ただただ、あたしは寒さから逃れる為に、ガウリイは夜ぐっすりと眠る為に(別にあたしの趣味に口出ししなければ熟睡できるんじゃないの?って言ったら却下された)、ついでに宿泊料金が安く上がるってのも魅力の一つ。そもそも暖かい季節よりも寒い時期の方が宿は繁盛するもの。気候が良ければ野宿で過ごす旅人は結構いるけど、寒い時期にそれをやるのは自殺行為にも等しい。つまり、宿を求める人数が増える。それに暖房用の薪やら毛布やらの支度料も宿泊料金に追加されるから、その分割高。つまり宿側としては需要があるから多少強気な料金設定をできるって事。。

共同浴場で湯浴みを終え、部屋に帰ろうとして・・・ふと、胸元が気になった。ここの宿のパジャマはあたしにはちと大きく、袖も裾もぐるりと何度も折り返して着ている。つまり、普段よりも胸元も大きく開いているわけで。
いくら普段は「男」を感じさせないガウリイだけど、ちょっとこれはどうだろう。下にシャツを一枚着るべきか、いっそ子ども用のパジャマはないのかと受付に声をかけてみようか。
それにしても、毎度毎度あいつは何も感じる処や思う処はないのだろうか? 一応あたしはお年頃の女だし、あいつはれっきとした男。
長い期間一緒にいるけど、彼が『そういう』お店に出入りしたりその手の艶絵を所持してたりというのは、あたしが知る限り一度もない。
巧妙に隠されてるって可能性も、お財布を握っているのがあたしなだけに限りなく0に近いし。 まさか・・・いや、考えるのはよそう、考え出したら幸せが遠くなっていってしまう。

ペタペタとスリッパを鳴らして廊下を歩いていると、男湯からの帰りらしいガウリイとかち合った。
「あったまったか?」
「うん」
たわいもない会話を交わしながら、肩を並べて部屋へ戻る。
結局受付には寄れなかったな。…シャツを着るか。
さくさくと荷物を片してベッドに潜り込むガウリイを横目に、荷物袋を探ってみるが、あいにく手頃なシャツは一枚残らず洗濯中。これで手詰まり、打つ手なしか。
「なにやってんだ〜? 体が冷える前にこっちこいよ」
布団の端を持ち上げにっこりと笑って、ガウリイはあたしが来るのを今か今かと待っている。
暖かそうなお布団の誘惑にあっさり白旗を揚げて、あたしは無駄な抵抗を止めガウリイの隣に滑り込んだ。
あたしの方により多くと、もっふり盛られた掛布団と、その上から回される逞しい腕の重みと温もりに『ほうっ』とため息が出た。
「ん?」
小首を傾げて『どうしたんだ?』って風にあたしの顔を覗きこんできたから、「なんでもない」とだけ言って目を閉じた。

まぁ、彼はいきなり無理難題言う人じゃないし、嫌いじゃないし、むしろ好きだし大切だし。よく酒場で屯ってる本能剥きだし、下品さ全開な獣でもなし。とりあえず今は与えられるこの幸せを享受しましょうか。
くるりと彼に背を向けて、もぞもぞと丸くなってみた。
すかさず距離を詰めてきた奴の体が密着して、背中側がすんごくあったかくて。つむじの辺りに顔があるのかくすぐったい。
ああ、あったかいなぁ、もう・・・。


目が覚めたのは、肌寒さを覚えたから。
隣を見るとガウリイの姿がない。用足しにでもでかけたのか。
とりあえず布団をかき集め丸くなって、温もりを保とうとするも、自分の体温だけじゃ温かさを維持できそうにない。徐々に下がりだした熱に呼応するように、寒気がぞくぞくと背筋を駆け上ってくる。
「春になったら」ぽそっと零れた独り言。
暖かくなったら、同室でいる理由はなくなる。
一緒に旅をするのに理由はいらない、そういったのは彼だけど。
じゃあ、こうして同じ布団で眠るのにも理由はいらないの?
それはそれで不健全なような、馬鹿にされているような心持ちだわと唸っているうちに、悩みの大元が帰ってきた。
「悪い、起しちまったか」
寒かったんだろうと、猫の子みたいに懐に抱きこまれて嬉しいような複雑なような。

理由が欲しいな。

「えっ!?」

頭の上から驚きの声が上がったけど、それ以上あたしからは何も言うつもりはなかった。じっと目を閉じて、彼の服を攫んで厚い胸に顔を押しつける。あたしからできるのはここまで。

彼が、しばらくの間固まっていたのは、突然すぎた展開に理解が追いつくまでの時間だったのだろうか。
背中に回された、いつもと違う腕の力に身を委ねて。
あたしはじっと、その瞬間を待つ。
ようやっと、新たなスタートラインに立つ、その瞬間を。

2008年11月8日(土)
今テレビつけてる?(突発的妄想文6)
電話越しでも元気が有り余っている様子が伝わってくる。
「さっきの特集で見たんですけど、リナさんは男性向けの物って何か使ってますか?」
問われてチラと視線をやった先には新聞のTV欄。いつも彼女が見ている番組項目を眼で追うと確かにそんな特集が流れたようだ。
「それってあぶら取り紙とか毛穴パックとかシャンプーとかでしょ?そりゃ同じ値段なら性能の良い方を選ぶわよ」

もうすぐ寝る時間なんだけどな、と、お喋りを続けながら洗面所に向かう。
「で、具体的には?」
「そんなの聞いてどうすんのよ?」
「良さそうなものがあったら今度試してみようと思って」
「じゃあ、今度ゼルんちに遊びに行った時にでも試させてもらえばいいじゃない」
「ダメですって!そんな事ゼルガディスさんに頼めませんよ!!」
この娘は一体何を試したいんだか。
「とりあえず今からお風呂入るからまたあとで」
さらっと通話終了の宣告をして即実行。やれやれ、最近寒さが増してきたらしっかり温まらないと寝つきが悪いったら。
お気に入りのシャンプーと洗顔料とボディーソープで一日の疲れを落とし、たっぷりとお湯を張った湯船には大きな塊の入浴剤を投入。『どぽん』という音に続いて微細な発泡音と共に立ち上るハーブの香気が心地いい。肩までどっぷりと湯に浸かり、一時の幸福を満喫していると、再び携帯が鳴った。
慌てて取った携帯を手に再び湯の中へ。 効いてて良かった生活防水様々。
「もしもし」
「リナさん? なんだか声が籠ってません?」
「そりゃ、まだお風呂入ってるもん」
「じゃあちょうど良かったです! リナさんは、その、処理の時ガウリイさんの髭剃りを借りたりしますか?」
「借りない。あいつ今時珍しい剃刀派だもん」
彼なりのこだわりなのか、ガウリイは床屋さんで使うような本式の剃刀道具一式を大事そうに使っている。あの、もふもふした毛ブラシでシャボンを泡立てるのは楽しそうなのよね。
「そうなんですか・・・」残念そうな声。
「気になるんだったら試してみればいーじゃない。あたしが使ってるメーカーは男性用も女性用も作ってるわよ?複数刃のやつ」そろそろのぼせちゃうかな・・・出るか。
「ありがとうございます!じゃ明日さっそく買ってみます!!」
嬉しそうな声を最後に通話終了、あたしもあとは寝るだけだ。

「おっ、もう入ってきたのか?」
寝室の扉を開くと、ガウリイがベッドの上で脱力してた。
「あんたも入ってきたら? 今日はちょっと張りこんで良い入浴剤使ったから、しっかり温まってらっしゃいよ」ポン、と、腰を叩いて促すと「へーい」と気の抜けた返事をして、のたのたとお風呂に向かう後姿を見送りながら、ふと思ったのは。
「男物っていうならこれもそうよね」
ゆったりしていて気持ちがいいからと、無断で借りた彼のシャツはあたしが着ると、まるで膝丈ワンピース。
その下にはあたし専用に買ったSサイズのトランクスも履いていたりするのだこれが。。

アメリアだったらゼルのをそのまま借りられるかな?
明日会ったら言ってやろ。

もぞもぞお布団の中に潜り込みつつ、すっと深呼吸をひとつ。
「借りた方が気持ちいいし、落ち着くのよね」服に、布団に染みついたガウリイの匂いを嗅いで、あたしは一人にんまりと笑った。


某○ッシュの入浴剤、ラメとかハーブとかいろいろ具が入ってたりして大変楽しいです。(後の掃除大変だけど(汗))

2008年11月7日(金)
今日はギブアップ
させていただきます。めちゃめちゃ眠くて限界ライン突破しちゃってますんで。ではでは、お休みなさいませ
2008年11月6日(木)
嬉しいな♪

拍手ボタンをぽちっとクリックありがとうございます♪

5日19:42のコメント遅くなって〜の方
遅くなってだなんてとんでもない!! 
お返事をいただけた事、とても嬉しくありがたいです!! 
戦闘シーンは私ももっと入れたい、格好良く書きたいので、ちょっと気合い入れ直して頑張りますね!! コメント、本当にありがとうございました!!

2008年11月5日(水)
(突発的妄想分5)
「あんたを見つめるだけでどうしてこんなにドキドキするの?」
彼女に真顔で尋ねられてはどう答えたものかと戸惑ってしまう。

普段の彼女ならこんな事は言わない。万が一言ったとしてもその時は顔中、いや、下手すりゃ全身真っ赤に染まるほど照れるだろう。
軽く屈みこんで鼻を近づけると、ほんのり漂うアルコール臭。
つまり、酒の勢いで素直になっているのか。はたまた純粋に疑問に思ったのか。後者の場合も、実はあり得ない話ではない。
先日大真面目に「男の人って、シないと病気になるって本当?」などと聞かれた時には、面喰って椅子ごとひっくり返ったっけか。

まぁ、あの時の誤解は解けたけど、未だ同衾するまでには至っていないオレ達にしては際どい会話だった。
「男性の生理学についてはそれほど知識がなくて」と、真顔で話す様子からして、先はまだまだ遠く険しい道のりだと乾いた笑いが口から洩れまくったっけか。
逆に捉えれば、こういう質問をしてくる=そういう経験がない証。
リナの最初で最後の恋人としては嬉しいんだが。一から十まで全部手取り足取りオレ色に染めてもいいのか?

酔いからくる、とろんとした目つきと甘くバラ色に染まった頬が魅惑的な、オレの恋人であり相棒であるリナ=インバースは。
「いただきます」とお辞儀したと思ったらオレの頬を両手でつかんで固定して、自分はつま先立ちになって・・・オレの唇に自分のそれを押し付けて。次の瞬間、さっと引いて「ごちそうさまでした」と満面の笑みを浮かべ。
「じゃあ、あたしは寝るね。ガウリイ、おやすみ〜♪」
一人上機嫌で部屋に戻っていく小さな背中を眺めながら、唇に手を当ててしまったオレの方が、初な小娘みたいじゃないか!



「挑発するならオレにも「いただきます」させてくれー!!」

隣室から聞こえた絶叫の悶絶っぷりに、「ああ、あのまま帰ってきて良かったわ」と、こっそり舌を出し笑った娘は、悠々と厚い布団に潜り込んで、一人穏やかな夢の中へと旅立った。


日付が5日なのは、日記作成ページを開いたのが5日の23:59だったからです。
2008年11月4日(火)
今朝のニュース

朝からTVニュースで報道されていたけどついさっき速報で小室さん身柄確保って。
TMNとか好きだったんだけどな・・・残念です。


拍手ボタンをぽちっとクリック、ありがとうございます♪
その一押しが励みになりますv
では、コメント返信です。

くれろ様
極甘なお話が読みたい!!に反応&くれろ様厳選おススメサイト様を教えて下さってありがとうございます♪ ええ、すっごく甘くて幸せになれました&進行形で幸せ堪能しております♪ 
拍手からの秋といえば・・・、めっちゃウケました♪ 特に3つ目の欲(笑)ストレートに言い切れるあなたが素敵です!!
突発的妄想文、楽しんでいただけているようで良かったです。
突発的、とつけている通り、日記に一発書きしている妄想は普段脳内に「ぽむv」と浮かんだイメージを最後まで書き上げるまでに至れず、お蔵入りさせる事例があまりにも多すぎた事に対する反省として、自分を追い込んでみよう的にやってまして。とりあえず今週いっぱいは頑張りたいなーとか思っているのですがどうなる事やら(汗)<既に今日がやばいんですが(汗)
眠気に負けたり時間切れになった分は翌日以降にこっそり追記したりしてますので、お時間のある時にでも覗いていただけると嬉しいです。
メッセージ、本当にありがとうございました!!

2008年11月4日(火)
指先に零れた(突発的妄想文4)
とろみのある白い液体を、猫のように舌を出して舐めとる。舌先は甘味をより強く感じる部位だと言うけれど、これ以上甘いものってあるのかと思う。
お皿の上には白いお化粧を施した焼きたてのトーストに、その隣には温かな湯気と香気漂う異国の飲み物。

読書に疲れた脳は、今か今かと糖分を欲している。

滴が外に零れないよう気をつけながら瓶の蓋を閉める。
これはなかなかの貴重品なのだ。そこらの雑貨店では売っていない。子供の頃、たまに期限切れが近付いたものを父ちゃんが舐めさせてくれたなぁ、なんて懐かしみつつ「いただきます」と口を開きたっぷり練乳を垂らしたトーストをつまみあげ・・・。

「おっ、いいもん食ってんな♪」
「ひあっ!?」

突然背後から声をかけられて、驚いたあたしは愛すべき練乳トーストを取り落してしまった! 幸い落下個所がお皿の上だったから良かったものの、もしこれが床に落ちようものなら取り返しがつかないじゃない!
「ガウリイ、あんたいつからいたの!?」
人を驚かせておきながら悪びれもせず、ニコニコと笑っている男は、事もなげに「いつって、さっき」とあっさり白状して、また笑った。
「さっき。じゃないわよ! ノックもしないで勝手に部屋に入ってこないでよ。びっくりするじゃない!!」うら若き乙女の部屋に不法侵入するなんて、それは命がいらないってのと同義よね?
「まーまー、そう目くじら立てなさんなって」
ひょいっと、あたしの肩を超えて。
ガウリイの手が伸びたのは、机の上に出しっぱなしの瓶!
「それあたしの!!」
慌てて取り返そうと両手を伸ばしても、あたしよりも身長の高い彼に瓶を掲げられてしまうと、もうどうしようもない。
「練乳、だったか? これ、美味いんだよな〜」
のんびりした声と舌舐めずりの音はほぼ同時。
「あんた、食べたことあるの?」
ちょっと意外だった。
ガウリイがこんなに甘味の強いものが好きだなんて。食後のデザートとかは、どちらかというとあっさり系を頼んでいた記憶があるんだけど。
「むかしに・・・な」フッと懐かしげな表情を浮かべて、瓶を見つめたガウリイは、「ほら」と、あっさりあたしに瓶を寄越して「好きだったんだ」と照れ臭そうに笑った。

テーブルの上には少し硬くなったトーストが一枚。
同じくやや温度を下げたらしい「珈琲」とやらは、酸味と苦みを楽しむ薬湯のようなもの。
ガウリイは苦みのあるものが苦手だったっけ。

「あんまり遅くまで起きてるみたいだったから、様子見にきた」
ガウリイはあたしのベッドに軽く腰掛けて、読みかけだった本を手に取った。
あんたが本に興味を示すなんて、天変地異の前触れか?
案の定、内容にまで興味は湧かなかったらしく、栞を挟むとガウリイは本を閉じ、ナイトテーブルの上に片づけてしまった。
「ね、あたしまだ読むつもりだったんだけど?」
口先だけの抗議をしながら、既に集中は途切れている自覚もあって。「じゃあ、今日はこれ飲んだら寝るわ」と珈琲のカップに手を伸ばしたあたしは、甘味の欠片もないそれを飲み干しトーストの皿を手に、ベッドへと近づいて。
「じゃあこれ、責任とってガウリイが食べちゃって」と腿の上に置いてやる。
「食ってもいいのか?」意外そうにあたしを見つめながらも、彼の声は嬉しそうに弾んで聞こえた。
「寝る前に甘いもの食べたらニキビができちゃうから。あんたもそれ食べたら部屋に帰って寝ちゃいなさいね」
ガウリイの横からベッドに上がって布団に潜り込み目を閉じる。

さようなら、あたしの愛しい練乳トーストさん。
あんたとは夢の中で会いましょう、きっと、きっと。

「いーのか? ほんとにもらっちまっても」
サクッ。
軽い音が聞こえた。
あれは端っこのカリカリに焼けた部分!香ばしくて美味しいのよ。
「じゃあ、遠慮なく」
「あ〜ん」と、わざとらしく声を出しながら、きっと彼は大口を開けているのだろう。

タイムリミットなので一時中断。

くれろ様、メール&拍手コメントありがとうございます!
今晩お返事させていただきますね♪
2008年11月2日(日)
今週の飛翔は

ぎゃあっ!!と叫ぶ話が多かった。
鳴門しかりネウロしかりワンピしかり銀タマしかり。
特に鳴門とネウロには、あああああ・・・と嘆きっぱなし。
H×Hは主役そろそろ出てきてほしいなーと思う。

日曜日は00があるので楽しみ。
アクエリオンも再放送されているから楽しみ。
パトも…(以下同文)


お昼からちょろっとお出掛けしてきます。
散策がてらでっかいツリーを見るのです。
なんだか、もう年の瀬が近付いてる感じ。


あー、甘ったるくて口から砂糖吐ける位のガウリナが読みたい!!練乳たらたら蜂蜜とろとろ飴玉ころころシロップひたひた特盛りフレーバーは苺で。ミルクチョコも捨てがたいしオレンジピールも美味しそう。って、どんな話になるんでしょうねこれ(笑)

2008年11月2日(日)
とろりと甘く貴重な(突発的妄想文3)
液体を口に含み、そっと彼に近づく。

彼の意識は未だ戻らない。

そっと頤に手をかけ仰向かせて口を開かせ、ゆっくりとそれを流し込んだ。噎せないよう細く細く糸のように液体を垂らしていくと、彼の喉がコクと動いて。あたしは横目で彼の状態を観察しながら、数度に分けて必要量を流し込む。

最後に、絞ったタオルで汚してしまった口元を綺麗に拭ってやった。

これでもう大丈夫だろう。

ドッと肩から力が抜けてへなへなと床に座り込んでしまった。
辛うじて手は彼の手首を握ったままだったのは我ながら偉いものだ。軽く押さえた個所からは微弱ながら拍動が感じられる。あとしばらくもすれば、これはもっと力強くなるだろう。

「さてと、代償をいただきましょうか?」

背後から嫌な声が掛かった。

糸目をにぃと開いてあたしを見つめる黒き神官は、相変わらず心にもない微笑みの形に醜く唇を歪めている。

「えらく取り立てを急ぐのね。 もしかしてあたしがつかまされたのは欠陥商品だったりして。それならあんたが急かしてくる理由も分かるってもんだけど」

「そんなマネをするわけないでしょう? すぐにバレる罠を仕掛ける趣味はないんです」

向かい合い、笑みを交わしながらも交わす言葉は棘だらけ。
信用とか信頼なんて微塵もない。あるのは互いの利害だけだ。

「ガウリイさんが目覚めてからだと取りっぱぐれる確率がグンと上がりますからね。さぁ、約束通り代償を」

いただきますよ。と、躊躇のない動きでゼロスの手があたしの髪に伸びて。

サン。

軽い切断音と共に、床に散らばる切り落とされた髪。

「ショートカットもなかなかどうして良くお似合いで」

不揃いなあたしの髪束を握り見せつけるようにしながら、糸目の魔は微笑みの表情のまま揺るがない。

あたしは軽くなった頭を振って、肩に散った毛を払いのけた。
後でちゃんと揃えなきゃ、とてもじゃないがガウリイに合わせる顔がないなぁ。

「では、確かに」

唐突に空間を渡りかき消えた魔。いったい何がしたかったのか。
さっきまで奴がいた空間を睨みつける。髪の使い道なんて奴の手にかかれば幾らでも。

それでも。

「・・・ここ、どこだ?」
いかにものんきそうな、聞き慣れた声が部屋に響いて。

「ここは宿屋で、あんたはガウリイよ!」
あたしは、心からの笑顔を浮かべて、思いっ切り彼に抱きついた。



あんたを失うくらいなら、最早あたしは、あたしを犠牲にしてもかまわないの。


「なんだぁ?」
状況を呑み込めないままベッド上で首を傾げている彼に、ぺちんと一発喰らわせてやる。

「よくもこのあたしに眠れない程の心配かけてくれちゃってからに!! この落とし前はきっちりつけてもらうから覚悟しなさい!!」
一息に言い切って、彼の頭を胸に抱え込んだ。

「おいっ、リナ、くるし・・・」

薄い布を通して伝わる彼の息づかいにゾクリと身体に震えが走る。胸の先端に当たっているのはたぶん、おでこの辺りだ。

「いーから、もうちょいだけこうさせなさいって!!」
口ぶりだけでも偉そうに聞こえるよう繕って、あたしは、彼を抱きしめ続ける。

短くなった髪を見られる前に、「なんて事を」と怒られる前に、彼の無事を堪能したかったから。

口づけひとつで贖われる、あたしの     。

2008年11月1日(土)
拍手返信です。
毎日ポチっとクリック、ありがとうございます!!
とても嬉しいです♪
10月29日 15:43の方
くそう!!ここのガウリナは…
熱いコメントをありがとうございます。 
違っていたらごめんなさい、もしかしたら前回もコメント下さった方でしょうか? 
嬉しいお言葉をありがとうございます。拙宅のお話で楽しんでいただけたらとても嬉しいです。 
2008年11月1日(土)
突発的妄想文2
『なんて軽いんだろう』
彼女を抱きあげて最初に思ったのがこれだ。

ごてごてとしたショルダーガードやらでっかいだけに見える宝石の護符やバサバサ広がるマントやら癖のある長い髪とかどこにいても人目を引く圧倒的な存在感やらを全部取っ払ってしまうと、彼女はこんなにも華奢で、ちょっとでも強く手を引こうものなら骨でも折ってしまいそうで怖い位だ。


苦しげに瞼を閉じ額に脂汗を浮かべてオレのブレストアーマーに縋る指先は血の気が失せて紙のように白い。痛みを堪え戦慄く唇はいつものお喋りな様子など微塵も感じさせずにキリキリと食い縛られ苦しげで。

「呪文が効いてきているから大丈夫」

オレに気を使ったのか、見事なやせ我慢を演じた彼女は、やっと全身から力を抜き始めている。恐る恐るといった感で、体重をオレの方に傾けだしたのだ。

出会って、まだ少ししか経っていない小柄で態度がでかくて良く食い良く動き良く喋る少女は、どうやら一筋縄でいくような相手ではないらしい。それはあの夜のキメラ男との堂々たる駆け引き、会話術からも伺える。

彼女の右手は傷口に当てられていて、しかし、もはやそこに魔力の光は灯されていない。一応傷は塞がったらしく、そこで集中が切れたのか、『手当て』の語源そのままに、ただ癒すために手を添えている。

幼さを残した丸い頬にも血の気は感じられずやや青く、呼吸は安定しているものの一刻も早くゆっくり休める場所が必要だろう。

なんか、目が離せない奴。
いつから一人旅をしていたのか知らないが、よくもまぁここまで無事でいられたものだ。危ない事に首を突っ込むのが好きだなんて、普通の女、いや、男だってまずやらない。よほど腕に自信があろうが、それを日常とするような酔狂さは大人にはないものだから。

「・・・保護、してやらんとなぁ」

希少な野生動物のような少女。
甘く見たら噛みつかれるかもしれないが、今のオレには手が掛かる位でちょうどいいのかもしれない。




遠くで、鳥が鳴いた。
それが正解だと、告げるように。