2011年9-10月の日記です。
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2011年10月31日(月)
ハロウィンウィンw

だなぁと、ついつい夜更かしして書いてピクにUPしたのをこちらでも。
そこはかとなく暗くてご都合主義なお話ですが、それでもよければどうぞです。


注意書き

・ハロウィンなので悪(い)戯(れ)的に暴走してみました。

・全体的に暗い雰囲気漂ってます。最後はご都合主義のハッピーエンド、やっはー。

・軽いカニバ(食人要素)な描写があります。

・それでも大丈夫という方のみ、続きをご覧下さいませ。

・読後、こんなもん読ませんな等の苦情などはご勘弁くださいますよう重ねてお願いします。





要するに、とことん運が悪かった。
言ってしまえばそれだけの話だった。

月末にグロッケンシティで催されるハロウィンの催し物をを見学しようと、少々無理な旅程を組んで。
街道沿いに進んでは間に合わないからと相棒をせかして険しい山を突っ切る獣道を選択した。
急勾配に崩れやすい足場、そこに加えてあたしの魔法の使えない日が重なって。
崖を削るようにしてつけられた細道を進む途中で吹いた突風に煽られたあたしは、いとも間単にバランスを崩してしまった。
それはまさに急転直下。
瓦礫と共に宙に投げ出されたあたしは、そのまま奈落に向かってまっさかさま。
とっさに伸ばした手の先に、目を丸くして驚く相棒の姿を見たのが記憶の最後。
「リナっ!!」
切羽詰った叫びが聞こえたような、そんな気がするけど本当だったのかは定かではない。
ただ、今、こうして彼はあたしの隣にいる。
その事実からすると、きっと実際にあったことなんだろうと思う。

ばかだ。
ほんっと、ばか。
考えなしのくらげにも程がある。
そりゃあ、まぁ。あんただったら充分やりかねない行動だとは思うけど。
だからって、幾らなんでもなりふりかまわなさすぎにも程があるんじゃない?
けどまぁ、ガウリイだもんね。
それだけで妙に納得できてしまうところもあるのだ、うん。
なにせ、今までだって何度も命がけであたしを助けてくれた人だから。

ねぇ。
あたし、あなたと旅するのも、戦うのも、一緒の時間を過ごすこともさ。
けっこう、ううん。もう、離れるなんて考えられない位気に入ってたんだよ。
それはあなたが思っている以上に、想像している以上に、そりゃあもう、絶大に。
だから、今、あなたがあたしのせいでこんな風に傷だらけになってたらすごくすごく悲しいし、悔しい。
自分の身一つ守れない、不甲斐ない自分自身と。
あなたに対して、ある重大な事実を隠していたことに。



飲み水はかろうじて出す事が出来た。
あの日の影響で一時的に魔力が減退はしていても、まったく使えなくなるわけではなかったから。
「ゆっくりと飲んで……そう、大丈夫。まだあるから」
掌に掬った水をゆっくりと傾けて、彼の乾いた唇を潤していく。
「……ありがとうな、リナ。お前さんは」
「大丈夫、ガウリイのお陰でどこも痛くしてないわよ」
そろりと、傷だらけの頬を撫でると、乾いた血がぱらぱらと散って落ちる。
「抜けられそうか?」
「今はまだ無理そう。ごめん、ガウリイ。早くあなたを医者に連れて行きたいのに……」
魔力が回復するには、あと2日はかかりそう。
ううん、下手をすればもっと。
「そっか」
ふう、と小さく溜息をつくと、そのままガウリイは動かなくなった。
俯いたままの彼の唇からは、規則的な呼吸音が聞こえてくる。
傷ついた身体を癒すため、そして体力温存の為に眠る事にしたらしい。
まぁ、こんな場所で敵襲だのを気にする必要はないから眠りたい時に眠ればいいのは分かっている。
だけど、彼がこんなにも無防備に、それも一言の断りもなしに寝るというのは。
くぅぅぅぅ。
大きな体躯から聞こえたのは、空腹を訴える音色。
そりゃあそうだろう、半日山道を歩き詰めだったところに加えて、ここに落ちて更に半日が経過している。
2食分の食事をしていないのだから、当たり前の事。





軽く十数メートルは転落しただろうに、あたしは左足首の捻挫以外、傷らしい傷を負ってはいなかった。
代わりに、あたしが負う筈だった傷をガウリイが受けた。

奈落の底で気が付いてすぐ、あたしは傍らに転がる彼の全身をくまなく検分した。
骨こそ折れてはいなかったが、背中と左腕、特に右足の打撲が酷い。
傍らに転がる抜き身の斬妖剣と左腕と手の甲の擦過傷。
一緒に落ちた礫でも当たったのか、両の瞼も切れて腫れあがっている。
無理やりこじ開けた瞼の下は、幸いな事に傷一つなかった。
視力にも特に異常はないとはいえ、腫れた瞼が邪魔をして目を開くのは困難そう。
唯一傷の少ない右腕はしかし、酷く手首が腫れあがっていた。
崖から落ちる際、少しでも衝撃を殺そうとした代償なのだろう。

きっと彼は、とっさにあたしを左腕で抱えるようにして、落下しながら剣を岩肌に突き立てて少しでも落ちる速度を殺そうとした。
その判断は正しい。
だけど、自分の不注意からガウリイに剣士の命ともいえる利き腕を潰すようなマネをさせてしまった。
こんなことなら、あたしだけ落ちていればよかった。
そうすれば、身軽なガウリイの事だ。みっともなく落ちたあたしを拾い上げて、背負うなり担ぐなりして麓の町まで連れて行ってくれたに違いない。
口にすれば血相を変えて怒られてしまうだろう考え。
それでもあたしは、そっちの方が良かった。
庇われるだけ庇われて、自分だけ無事でいたって嬉しくない。贄になったのがガウリイならば一層のこと。


何でもしようと、心を決めた。
今、この瞬間を無事に乗り切るためならあたしはなんでもする。
たとえこの先、一緒にいられなくなったとしても。



天高く昇った太陽の光が、奈落の底にかろうじて差し込む頃。
あたしはガウリイの為に食事の支度を整えた。
といってもろくなものがあるわけじゃないし、傷ついたガウリイに手伝えとも言えないので、せっせと一人で支度をする。
水を貯めるコップもなければ食べ物を皿もない。
だから、一口分ずつ水を生み出し、食べ物を削いでは彼の口に運んでやる。
瞼の腫れは昨夜よりも酷くなった。
青黒くなったその色合いだけでも見るからに痛々しいというのに、冷やしてやる為の氷もない。
魔力さえ戻ればすぐに助けられるのに。
こんな時、女である自分が心底疎ましくなる。
しくりと痛む下腹部が憎らしい。どうせ何も産めやしないくせに、一丁前に機能して。
「…なぁ、これ、すっげーうまいなぁ」
ガウリイはゆっくりとそれを噛みしめ、味わっていた。
「ま、ね。あたしのとっておきだから」
小さく笑って、もう一削り。
瑞々しいそれを、彼の口元に持って行く。
「なんか、甘い匂いだなぁ。なんだ、これ?」
「それは、リナちゃんの企業秘密です」
「お前さん、今まで独り占めにしてたのかよ」
ちょっと拗ねた風な口を聞くと、ガウリイはもっと欲しいと言って口を開ける。
「はいはい、ちょっと待ってて」
あんたは子供か、それとも餌を待つ雛鳥か、なんて風にからかいながら、あたしはせっせとそれを削っては彼の口に運んで食べさせる。

こくこくと水を飲み終えたガウリイは、岩壁に背を凭れさせて眠ってしまった。
怪我からくる発熱に苦しめられていることはあたしも、彼も判っている。
お互いにそれを口にしないのは、言ったところでどうにもできないから。
手元にあるのは、お互いの身につけていたものだけで。
傷を冷やす為の濡れタオルを作るには衣服を裂くしか手段はないし、それをすれば夜の冷え込みから身を守る手立てがなくなる。
昨日は身を寄せ合う事で暖を取ることが出来たけど、このままではいずれ……。

「………レビテーション」
状態を確かめる為に呪文を唱えてみても、僅かに髪が浮かぶだけ。
魔力が戻るまでにはまだ時間がかかるらしい。

だけど、それもあと一日。
明日になれば、二人でここを抜け出せる。
だから、もう少しだけ耐えて。頑張って、ガウリイ。
熱に苦しみ汗を流す彼の額に唇を押し当てた。
彼の熱を吸い取るように、彼の苦しみをこの身に移すように。



そうして迎えたハロウィンの朝。
予定では今頃二人でのんびりと、グロッケンシティの街で美味しい食事に舌鼓を打っているころだった。
現実のあたし達はまだ崖下から抜け出せないまま。
昨夜が峠だったのか、朝になってガウリイは回復の兆しを見せ始めた。
触れると熱かった肌も、平時に近くなりつつある。

「ほら、朝ごはん」
「おう、さんきゅ」
一口大に削ったのを、彼の口に押し込む。
すっかり食べさせられる事に慣れたのか、躊躇いなく口を開く相棒の様子に嬉しいような悲しいような、複雑な心境を抱きながらの食事を終わらせ、汚れた口元を拭いてやっていたときだった。
「なぁ、ナイフ貸してくれないか」
ふいに、ガウリイが言った。
「……なに、するつもりよ」
声は震えていなかったか。
「いや、こいつが邪魔でな。ちょっと切ろうかと思って」
ちょい、と彼が指差したのは腫れた瞼。
「バカね、腫れてすぐならいざしらず、今更んなことやったって痛いだけよ」
ちょい、と、指でつっついてやると顔を顰めて「いてーよ」と唇を尖らせる。
「それに、そろそろ魔力が戻りそうなの。だからもう少しだけ我慢してて」
血を絞って腫れをひかせようと考えたんだろうけど、今それをやられては困る。
彼にはしっかりと体力をつけてもらわなくちゃならないんだから。




「なぁ、昨日より味も匂いも濃くなったぞ」
薄がりの中で、ガウリイが囁いた。
あたしは、そう?とだけ答えてナイフでそれを削り、彼の口に運んでやる。
「なぁ」
唐突に、真剣な顔をしたガウリイがあたしの手を捕まえた。
食事はまだ始まったばかりなのにどうしたというのだろう。
「なによ、もっと食べなきゃ体力戻らないわよ」
なんでもない風に言ったあたしの手を、彼は強く握り締めて言った。
「この食糧は、どこから持ってきたんだ」と。
「なんだ、そんなこと気にしてたの?」
軽く笑って聞こえるように答えたあたしに、しかし彼はだまされてはくれなかったようだ。
「幾らなんでもおかしいだろ。お前さんが隠し持っていたにしろ、あれだけの量の食糧がここにあるはずがないんだ」
「どうして?」
ああ、こんな時にもあたしはまっさらな嘘を吐いている。
もう破滅の時は目の前だと言うのに。
「荷物袋は崖の上だ。それにお前さんがそういうものを持っている様子もなかった」
焦燥を押し殺したガウリイの呟きは、ばっさりとあたしの嘘を切り殺した。
「見えなくても、聞こえるさ。お前さんはすぐに隠し事をするからな。
寝たふりをすりゃあ弱音や本音を吐いてくれると思ったんだ」
痛ましげに顔を伏せたガウリイは、真実を知ってしまったのだろうか。
「ごめん、ね」
ああ、これで全部終わり。




それは、最初の夜。

「荷物がないのは痛いわよね」
月明かりに照らされて影を作る二つの荷物は、元いた崖の道の上に転がっていて、丸みを帯びた膨らみが黒いでっぱりのように見えるばかり。せめてもう少し宙に突き出していたならば、気まぐれに吹く風が落としてくれたかもしれないのに。
携帯食糧も薬草も、必要なものの殆どはあの中に納まっている。
なまじ見える場所にあるだけに焦燥感は募るばかり。
傷を癒す事は出来なくとも、せめて苦痛だけでも取り去ってあげたいのに、それができない。
崖をよじ登るにしたって、せめて朝になってからでなくては無理だし、そもそも魔法なしでこの崖を登るのは難しい。
既にガウリイが負傷している今、無茶をしてこれ以上事態を悪化させてはならないのだ。

ガウリイだけでも助けたくて、あたしは一つの決断を下した。
足を覆うレギンスを捲り上げて、ナイフの刃を肌の上に押し当てて。
さくりと自分の身体を削り取って、何も知らないガウリイに食べさせたのだ。

「大丈夫、ちょっぴり削ったけど痛くはないし。それに薬効だってあるんだから。
気持ち悪いかもしれないけど吐き出したりしないでよね」
上手く笑えているだろうか、普段のように胸を張れているだろうか。
真実を知って固まってしまったガウリイを見て、ツキツキと胸が痛む。

苦しくて、そっと身を引こうとして、我に返ったガウリイの手に再び押さえ込まれしまった。
「ばかなことを」とか「痛くないわけがないだろうが」と、怒鳴られ、肩をつかまれ揺さぶられている。

やだな、あたしまでおかしくなっちゃったのかも。
ガウリイの声が段々遠くなっていく。

「大丈夫なんだってば。あたしは」
人間じゃ、ないんだもの。

はっきりと、ガウリイに向かってずっと隠し続けていた事実を口にした瞬間。
激しく鋭い痛みが、ざくりと胸を貫通した。



自ら切り取った部分はさほど痛みを感じない。
それは『与える』為の傷だから。
ガウリイにこの身を与える度に負う傷ならば、苦痛どころか快感すらあった。
そう、あたしはとても幸福だった。

気持ちが実体化したかのように、胸の中心でぽぅと灯った小さな明かりは、総ての終わりを告げる印。
心臓の上で揺らめく灯火は、あたしの鼓動にあわせて僅かずつ膨らみ、じわじわと全身に広がっていく。

「リナ!?」
瞼を無理やり開けて、ガウリイは驚愕の表情のままあたしを凝視(みて)いる。
その手を跳ね除け、今度こそ後ろに退き距離を取った。

さあ、笑え。
笑って、彼に笑顔を焼き付けろ。

「幸いにも今夜はハロウィン、人ならざるものが一年の内でもっとも力が揮える夜。
たとえコンディションは最悪でも、あんただけは助けてみせる」

あたしの魂を糧として燃え盛る炎、それを魔力に変えて、あたしはゆっくり呪文を唱える。
もう彼に一切の隠し事をしなくてもいい。
ならば最後に、できる限りの事をするだけだ!

「リザレクション!!」

ガウリイに向けて突き出した両手、そこから生まれる純白の光があっという間に傷ついた身体を包みこみ、癒していく。
本来は周囲に存在する命あるものたちから気を分けてもらうことで患者を癒す術だが、この場にいるのはあたしと、怪我人であるガウリイだけ。
それに普段のあたしは復活の術を使えなかった。
そう、彼の隣にいた『人間の魔道士』のあたしでは。
「リナ、なにを!?」
眩しさから目を庇おうとしてか、ガウリイは顔の前に腕をかざしていた。
その腕から、全身からもみるみる傷が消えていく。

彼の身体から完全に傷が消えるまで、詠唱を続け。
総てを成し遂げた頃には、すっかり本性が露わになっていた。



真っ赤な炎が身を包み、霞のように透けた身体は夜明けと共に消える運命。
死者と魔の練り歩く夜を越えて、もう一度最初から。
精霊として?それとも原初の存在からか。

「リナ! オレにも分かるように説明しろ!!」
真剣な顔で追いすがってくるガウリイから逃げをうつ。
風を起こし、身を翻して駆けて行く。
いや、もう足はない。
全部ガウリイに食べさせたんだった。
あたしを追おうとする前に、とっさに剣を拾うところは流石に剣士といったところか。
それだけ動ければあとは自分でなんとかなるわよね?
「ごめんね、ガウリイ! ずっと大好きだから許してね!!」
一瞬だけ振り向いて、飛び切りの笑顔を向けてやろう。
炎はもうじき喉にも届く。
彼が見えなくなるその前に、覚えていて欲しいあたしの笑顔を見せてやる。

「オレが好きなら逃げんなよ! 逃げるな、消えるな、こっちにこい、リナ!!」

呼ぶ声を振り切り奈落の底を駆け抜けた先にあったのは。
月明かり満ち、色とりどりの花が咲き誇る夜の庭。
花を踏み、蹴散らし進むあたしとガウリイは、まるで月明かりの下で追いかけっこをしているみたいだった。
こんな状況だというのに高揚する気持ち、そう、きっとこれもハロウィンの夜の魔力。

まだ夜は深く、しかし輝ける満月は煌々とあたし達を照らす。
しばらく続いた鬼ごっこは、あたしを燃やす炎ごとガウリイが抱き留めて終わった。
「驚いた、ちっとも熱くないんだな」
「ま、ね。魔力の炎みたいなもんだから。物質を燃やしているわけじゃないから熱は生まれていないのよ」
なんでもない風に言葉を交わしながら、その内心では、お互いに相手の出方を息を潜めて待っている。

すうっと大きく息を吸って、最後に真実を突きつけよう。
忘れないでね、忘れてね。
あなたの前からいなくなっても、あなたがあたしを忘れても、あたしはあなたの血肉となって一緒にいるから。

「あたしはね、魔族でもなければ人間でもない。
ガウリイにも分かるように説明するってのは・・・かなり難しいわね。
簡単に言うとね、あたしはなりそこないの神様みたいなものなのよ。
精霊として生まれて、人に扮して土地をさすらい経験を積んでね。
長い時間をかけて、いずれ力ある神になるための修行を積む。
今回はあたしの不注意でガウリイに怪我させちゃって、ごめん。
手段を選ばなかったのは悪かったけど、許してくれると嬉しいんだけど」
重なり合った掌の上にも既に真っ赤な炎が踊っている。
時間はもう、あまりない。
別れ位はきちんと言いたい。
こんなにも心を傾けてくれた人には、ただ一人の心許せる相棒だった男には。

「……言えよ、お菓子か、悪戯かって」
「なんのつもり?」
「いいから言え!この先もオレといたいなら言ってくれ!!」
彼が何をしたいのか、ごうごうと燃えさかる頭では分からなかった。
だけど泣き喚きながら「早く言え」と、ガウリイが繰り返すから。
「リナ、頼む!!」
急かされて、あたしはとうとうその言葉を口にした。

「Trick or treat」
「ほら、オレがお前のお菓子だぞ!」
叫ぶと同時に、ガウリイはあたしに口付けて。
「オレの番だ、リナ。Trick or treat!」
訳が分からなくて首を振るあたしを見つめ、それからガウリイは勢い良く天を仰いで叫んだのだ。
「答えられないならリナを貰う! 地獄の釜が開く日ならば、奇跡の一つも起こして見せろ!!」



朝を迎えても、あたしという存在は消えていなかった。
あれほど激しく燃え盛っていた炎はすっかりナリを潜めて、大人しく心臓の内に収まっているようだ。
あたしにも、そしてガウリイにも怪我もなければ傷もない。
消えたはずの足も元通りだし、何がどうなったのやら。

「お、起きたか」
むくりと身体を起こすと、ガウリイはまずあたしを担いでさっさと崖をよじ登ってしまった。
それからおきっぱなしになっていた荷物も纏めて担いでしまうと、麓に向かって歩き出す。
「街に着くまで眠ってろ」
優しい声をかけられた途端、魔法に掛けられたようにあたしは眠りに落ちていて。
夢の中で、懐かしい仲間達と手を取り一晩中踊り明かした。

「オレな、『見える』んだ。今まで言ってなかったけど」
宿の部屋でガウリイはそう話を切り出した。
「リナが燃え始めたときな、お前さんの周りにいた妖精とか精霊とかが一斉に顔色を変えて騒ぎ始めてな。
で、そいつらの中の一人が、こっそりオレにリナを助ける手を教えてくれたって訳だ」

「どんなやつ?」

「長い黒髪で、でっかい乳とえっらい尊大な態度の女の精霊だったな、たしか。
「悪戯のお礼はお菓子じゃなくて、とびっきり美味しいお酒を用意しなさいね」って言ってたなぁ」

「ぶはっ!!」
想定外の返答が来た。
よりにもよって彼女の入れ知恵とか。
ああ、これからこの生が終わるまで、彼女に酒代せびられ続けるのか。

「リナが消えないならなんでもいいさ」
屈託なくガウリイは微笑みかけてくれるけど。
でも。
「あの、気持ち悪くない? あたしは、あんたにとんでもないもの食べさせたのよ?」
緊急時とはいえ、人間にとって最大の禁忌を犯したことについては?
「そうだな…リナ、責任とってくれるよな」
フッと笑うと、ガウリイは両手であたしの頭を捕まえて、そのまま自分の顔にぶつけた。
もとい、顔の一部と一部を、ね。

「元々こっちはお前さんに餓えてたんだ。
リナが許してくれるなら、こうやって、何回でも…一生かけて、な」
なくなったら困るから食いついたりはしないけど、味わうだけなら大丈夫だろ?

そういって、ガウリイは深く唇を重ね合わせてきて。
了承と頷く代わりにそっと滑り込んできた舌に、自分のそれを絡ませて。
始まりを告げる熱を胸の内に感じながら、そろりと広い背中に両腕を回した。




明け方に出来上がった突発SSでした♪

どうも異類婚姻譚と、愛しているからいただきます。もしくは召し上がれ。なお話が書きたくてしかたないようです。次はガウリイ視点で普通に甘いのとか書きたいですね。(しかし予定は未定です)

ちなみに、我が家に「Trick or treat」と訪ねてくる勇者がいたら、謹んでケンシロウポーズを取りながら、「よろしい、ならば戦争だ!」と応じます(笑) 

あと、このお話の元ネタにした、昔どこかで誰かの為に自分の身体を削いで飢えを凌がせる漫画を読んだ事があるはずなんですが、タイトルや絵柄など、そこらへんが思い出せずにうぬぬぬっとなっています。
ほっそりとした女の人が肉を削ぐ。血は出ず、植物のようにサクサクと切れる。もしくは桃色の柔らかな脂ののった肉で、同じく切り落としても血が出ない。(たぶんこっちは菊池秀行あたりかと)
そんなお話に心当たりがある方、いらっしゃいませんかー!?

2011年10月29日(土)
10月もそろそろ終わりますね

ちょっとこれは放置しすぎではないか!と、慌ててビルダーさんに起動を願ったわけですよっと。
皆様お元気になさっているでしょうか? 
平常運転という名で更新を滞らせてる管理人です、こんばんは。
ここのところ何をしていたかといいますと、テンさんのことで凹んでたり、職場が色々大変ですよガウリイさん!な状況だったり(ガウリイ関係ないけど言いたかっただけw)
細々とあっちこっちに心配事発生したり運動不足で増量したり(これは自業自得)
運動不足に「っ、だっ!」(虎徹さん風に)なってウォーキングを始めたり。←これはお休みの日限定ですが、繁華街やらをぶらぶら観察しつつやや早足スピードとか、昨日は身近な観光地の坂道を存分に歩き回ってきたりしました。適度な運動って良い眠りを齎してくれるので助かります。

14日の日記タイトルにもしましたが、ほんっと、時間って気を抜くとあっちゅうまにどっかに持っていかれますね。一年終わるまで残り2ヶ月って信じられないですし!
これ書いているのは就寝前の午前2時半、昨日昼間で寝ていたのでその分夜更かし中です。

あ、最近買ったものとかずらずらっと並べてしまいます!
M&Wのハーバルオイル!(マンダリン、ペパーミント)←マッサージ用。
空さんに教えてもらった技で自分も家族もビチビチと癒すぜ!!

スィートフェンネル!(インドの口直し風お菓子)←昔食後に貰って以来探していたもの。砂糖衣の中からフェンネルシードが出てきます。
噛み砕くと甘味の中に爽やかなミント風味がv
購入したパッケージのままだと持ち運びに不便なので、手持ちのミントタブレットの入れ物にIN。しょっちゅうポリポリしたい。
ご一緒に向こうの豆スナック(ピリカラ風味)とマサラを絡めたミックスナッツも購入。
袋の外にもカレーっぽいスパイスの香りがふんわり漂ってます。ああ、お腹がすく。

いつものパン屋さんのいつものカスクート!(ツナ、ローストビーフ)←ひたすら齧る。大人風味なのか娘’Sには不評だった。いいもん、美味しくいただくもん!(だから太るw)他の定番フランスパン類は即食べられて瞬殺。

マウスウオッシュ←どうして繁華街のDSはこんなに安いの!と心の中で叫びつつ購入。その後、重さに泣きそうになる。

シンプキンのADM。安定の美味しさ。口の中でシュワッと溶けて崩れていく感じが凄まじく好き。これだけは甘ったるくても許せる。

ナナカオの7巻、ドリフターズ2巻、瀬戸際花嫁4巻、タイバニ設定資料集、その他好き本の数々。
来月発売のスレすま5巻は密林で予約済み。FSSリブートはまだ全部揃ってない。アビスゲートも続きが読みたいです。今すぐは無理でもそのうち続刊出て。欲しいから。

そして今日は所用でKaiさんとちょこっと甘いものを食べるぜデート、してくる予定。

制限ページアドレス申請の返信を致しました。
万が一お手元に届いていない場合はお手数ですがもう一度ご連絡ください。

拍手ボタンにポチッとクリックありがとうございます。とても嬉しいです。
メッセージもありがとうございます。

さとよし様>
いらっしゃいませ、こんばんは。
いつも拙サイトに遊びに来てくださってありがとうございます。テンさんの事への心の篭った優しいお気遣いをありがとうございます。なんだかさとよし様に寂しさのおすそ分けをしてしまったようで申し訳ないやら、寂しい気持ちを共有して貰った事で少し気持ちが軽くなったりと、いただいたメッセージを読み返しながらPC前で百面相してました(笑) や、出勤前の時間に動揺させてしまってすみませんでした。
私の方は行きつ戻りつしながら、ゆっくりとテンさんのいない生活に慣れていっています。相変わらず家族間での会話ではしょっちゅう話題に出ますし、彼女の存在感はそりゃあ半端なかったですから、死んだ位で静かに休ませてもらえると思うなよwってなもので。あの仔はずっとうちの可愛い女王様ってことで、これからも愛でていきたいと思います。
もう一つ申し訳なかったことがありまして。せっかくいただいたメッセージでしたのにお返事するのが遅くなってしまったことと、web拍手の性質上メッセージの文字数上限が1000文字と決まっておりまして、せっかくいただいたメッセージが最後の方で途切れていまして(汗) 全文受け取れなくて申し訳なかったです。これに懲りずに、ぜひまた遊びに来てやってくださいね!
メッセージ、本当にありがとうございました!!

2011年10月17日(月)
リンクを張らせていただきました

来秋開催予定のスレイオンリー「とことん!スレイヤーズ」様にリンクを張らせていただきました。
主催者様方、協賛の皆様方、応援させてくださいね。

拍手にポチくり、ありがとうございます。

モルブログには記事を上げましたが、愛モルテンさんが日曜に旅立ちました。
食欲不振が発覚してから亡くなるまでを思うと、未だに気持ちの整理ができません。
自分の中で納得が出来ていないためか、感情の起伏が激しくて困っています。平常運転に戻るまで少しだけ待っててください。

2011年10月14日(金)
気を抜くと持っていかれる

そんな一週間。


日曜日は久々にみんなでカラオケに行きました! 足を伸ばしてオンリー会場にも足を伸ばして明夜さんとこに特攻かけたり光の剣のミニチュア買ったりコスさんみてぱぁぁぁぁ☆ってなってきました。
カラオケはね…久しぶりすぎて何歌ったらいいのやら〜と、歌えるものを歌いつつポメラさんでポメポメしてました。これ、本気で超便利! 思い立ったら即記録できるって素晴らしい!!そして、素敵過ぎる!!
あ、会場でチラシいただいたんですが来秋にもオンリーがあるんですね! 来春のプチオンリーとあわせて年二回とか!! 両方とも関東だから行きたいけど予定は未定・・・orz 最悪どなたかお買い物頼まれてくれませんかー!!もしくは通販希望で〜っ!!

晩御飯は焼肉。だがしかし人数と焼き網の数が合ってない。お肉が美味しかっただけにちまちましか焼けなかったのが非常に残念。お母さんはもっといっぱい食べさせたかったのよ〜!!

月曜日はユバさんとB’ZライブにGO!! 会場に行く前にごはんしたりアイス食べてぶらついてツアトラ写真撮ったりグッズ購入でニコニコしたり、開演したらあとはもう、歌って踊って騒いで叫んで非常に楽しかったです!!
内容に関してはネタバレ禁止なので書きませんが、B’Z好きな方は絶対LIVE=GYM経験するといいですよ!! CDよりもすっげーダントツかっこいい稲葉さんと、ボスでキュートで可愛いらしいTakに会えます。TVとかじゃ見られない姿ですよっ!!

火曜日はへろっと仕事して、水曜日は無事にキリ番到達もリクはなし。うん、そうだろうなーと妙な納得の仕方をして、木曜日はだらだらっと100均とか巡って遊んでました。日曜日を除いて書き物何もしてなかったよ!

ところで一応ツイッターを続けているんですが、そこのお遊びで○○診断メーカーってのがありまして。ご存知のない方に説明いたしますと、空欄に名前を入力すると日替わりで答えがでる。というもの。
「あなたがゲームの世界に入った時に使用する武器を調べたー」ttp://shindanmaker.com/148099
昨日試したら答えがこれ。
「damekinのゲーム世界での使用武器『鞭』『ロウソク』『三角木馬』」 酷くないですか!? 
今日やったら「damekinのゲーム世界での使用武器『藁人形』『五寸釘』『鉄鎚』」。どれもこれも武器なのか?特に三角木馬。持ち歩くの大変そうです(汗)
しかしツイッターでいろんな診断を見つけて「あ、遊んでみよう♪」と思い立って試した時に限って結果が「「damekinって誰だっけ?」「あのドエロな奴だよ」「ああ!あのドエロな奴か!」「そうそう凄くドエロな奴」」とか「神様からdamekinへ一言 神様「こんな失敗作は初めて」 」とかな!ワリと平常運転でこんな感じの答えが多いです。
アカウント名にdameって入れてるのがダメなのかも。
そんな感じで時にバタバタ、だいたいはのんびりまったりと過ごしています。

拍手にパチポチッとクリック、ありがとうございます! とっても嬉しいです!!


身辺でいろんな形のお別れがありまして、少々しんみりとしています。
大人なんだし、そういうことも当然あると了解していてもキツいですね。

2011年10月7日(金)
今夜はここまでで。
未完成というか、ちゅうとはんぱーSS三連荘投下でしたw
明日は仕事なので、そろそろ寝ます。そのうち日記ページ整頓して拍手も整頓してきちんとしまっちゃいますね〜。スクロールバー長いんだもん。
2011年10月7日(金)
ふと思い出したら連休前だったので

という言い訳をしながら、インテで出すつもりだったのを一緒にGO!GO!
……ほんとに、いろんな意味で微妙なものばっかりでもうしわけない。でも、投下はするよっ!


これが私のご主人様(これがタイトルという事で内容をお察し下さい)





ご主人様。
一人でいる時、ふと口をついて出る単語がこんなにもあたしの心をざわめかせる。
世界でたった一人の、この言葉を適用できる人物は今、隣室で眠っている筈だ。
彼にはそんな自覚はないだろう。あたしが勝手にそう認識しているだけで、彼としてはあたしの主人などではなく相棒だと思っているに違いない。
たとえ、過去に彼自らあたしの『飼い主』だとまで口走っていたとしても。


ご主人様のことを考えるだけで、胸が高鳴り鼓動が早まる。
ご主人様に触れられるだけで、頬が火照ってしまう。
ご主人様に微笑みかけられると、幸せで頭がぼうっとなってしまう。
あたしの、あたしだけのご主人様。
ああ、本当にそうなればどんなにいいか!!
冷たいベッドに横たわり、あたしは一人夢想する。
ご主人様に手綱を取られる未来。
それは永遠に叶う事のない、胸に秘めた儚い夢。



おはよう。
そんなたわいもない言葉からあたし達の一日は始まる。
大抵ご主人様とは隣り合わせで部屋を取るから、聞こえる物音や気配で隣室の様子はなんとなく分かるもんで
起床後はタイミングを合わせて階下の食堂に下りるのが恒例だ。
たわいもない会話を交わしながら食事を済ませ、仕事の依頼がないときはそのまま旅の予定を相談する。
まぁ、相談といっても行き先を決めるのはほぼあたしで、彼は何を提案しても「応」の一言。
多少の我侭を言ってみたところで変わりなどない。よっぽど受け入れがたい時だけは軽い口調で窘められるか、実力行使で止められるけど、大抵の我がままは彼が折れる事で通ってしまう。
もっと早い段階で強引に制止して欲しいな、とか、思ったりもするけどそんな事は口が裂けてもいえない。
彼の抱くあたしのイメージとかけ離れた言動や行動は慎まなくては。
彼があたしの隣にいる理由。それを失うわけには行かないのだ。
危なっかしいから、放っておけないから。無茶ばかりする子供の抑え手が必要だから。
そんな理由がなければ、彼が人並みはずれたお人よしでなければ、とっくに彼はあたしの元からいなくなっていただろう。


ぽてぽてと街道沿いに移動しながら、はたはたと手を振り風をそよがせてみた。
初夏を思わせる陽気はうっすらと汗を滲ませ、日光に晒された肌が火照っている。
太陽はちょうど天頂付近にあり、頭頂部を炙られる感覚が酷く不快だった。
「なぁ、ちょっと休まないか?」
そんな風に提案されては、のるしかない。
彼は気温の高さも日差しの強さにもまったく影響を受けていないだろうに、あたしの事を気遣ってそう言ってくれているのだ。
彼は本当に優しい。優しくて、強くて寛大で。
過保護なほどあたしの事を気にかけてくれる理由は偏に心配だから、これに尽きる。
要するに、特にあたしじゃなくてもいいのだろう。彼の目に留まり、彼の保護欲を掻き立てるような存在であれば。

この思いを自覚してから、どの位の時が過ぎたのだろう。
彼に支配されたい、行動の総てを委ねてしまいたい。
そんな想いに囚われているうちに、あたしはどんどんおかしくなってしまっていた。
今やどういう振る舞いがあたしらしいのかも判らなくなって、惑い続ける胸の奥に沈殿していくのは「彼に支配されたい」という想い。

ある日、意を決して、あたしは目の前の彼の手に小さな鍵を握らせた。
受け取った方は『これなんだ?』と首を傾げている。
「それ、持っていてくれる?」と聞いてみたかったが、そういう言い方をすれば「どうしてだ」と問い返されるに決まっている。
だからあたしはあっさり聞こえるように努めながら「失くさないでね」とだけ言った。
お守りだとか何とか、当たり障りのない理由をつけることも出来たけれど、あえて何の説明もつけなかった。
理由がなくても彼がこの鍵を持っていてくれることが重要だから。
ああ、と、特に疑問にも思わなかったのだろう、彼は鍵を受け取ると、さっそく自分の荷物袋の中に放り込もうとする。
「それじゃあダメよ、失くしちゃうわ。…そうね、ちょっと貸して」
実はこれもあらかじめ用意しておいた細い黒皮紐に鍵を通して、彼の首にかける。これできっと失くしたりしない。
あたしを所有する証の、鍵を。たとえそういうものだとガウリイ自身が知らなくてもいい、あたしが知っていれば。
「もらっちまっていいんだな」
紐を手に、まじまじと鍵を見つめるご主人様。その視線がこちらに向かないうちに部屋を出なくては。
喜びに綻んでしまう口元や、赤らんでいく頬を見られでもしたら、幾らなんでも怪しまれてしまう。
「じゃ、おやすみなさい」
用は済んだと態度で示して、平常通りを装い部屋の扉に手をかけた。
心臓は今までになく早く脈打ち、口の中はすっかりカラカラに干上がっている。
だまし討ちのようにしてガウリイにあたしを所有させた。
そんな事実を彼には知られたくなかったし、知られたとしてもちょっと惨め過ぎるではないか。
ずっと言えずにいた願いを一人勝手に成就させた気になって、一人勝手に満足して。
ガウリイにしてみればあれは用途の分からないただの鍵、持っていたところで荷物が一つ増えただけで何の重みも意味もありはしないのだ。
このまま部屋を出て、自室に戻ろう。
彼が寝静まってから、毛布をかぶって声を殺して思う存分張り裂けそうな気持ちを吐き出せばいいのだ。
ご主人様、ご主人様。早くあたしにご命令を。あたしは、あなたに身も心も、総てを支配されたいのです。
「じゃあ」
また明日。と続ける筈だったあたしの口は、最後まで言い切ることが出来ないまま動きを止められた。
無言で近づいてきていたガウリイの手が、大きな手が、あたしの口を塞いだからだ。
「リナ」
硬い声があたしを呼ぶ。
いつもの優しい物言いではない。ぴしりと鞭がしなるような、一切の拒絶を認めない、そんな声であたしの足を縫いとめ、弾かれたように硬直した身体は、彼の手で簡単に向きを変えさせられた。

再び彼と向かい合う形になったあたしは、ノブからはずした両手を胸の前で交差させて、必死で足下を見た。
とてもじゃないが、今の状態でまともにガウリイの顔を見られない。
見られたら心の内に隠した筈の欲望を知られてしまう。そうなったら、一巻の終わりだもの。
すっ、と伸びてきた手が、あたしの喉元にかかった。そのまま太い指が襟元に潜り込み、力強く引っ張られる。
「…あっ」
簡単に肌蹴た服の下に隠していたものが彼の眼前に晒された。
慌ててそれを隠そうとしても、あっけなく押さえ込まれてしまう。
両手首を片手で捉えて拘束すると、ガウリイは真顔のままあたしの胸元に顔を近づけてきた。
怖いのに、逃げ出したいのに動けない。
見られているのが怖いのに目を閉じる事も顔をそらすこともできやしない。
きっと今、この瞬間。
あたしはどうしようもなく幸福に満ち溢れた表情で微笑っているに違いない。
今、あたしは彼に総てを握られている。
自由を奪われ彼の支配下に置かれる喜びと、真意を知られて軽蔑されるかもしれないという恐怖。
相反する二つの思いに、今にも胸が張り裂けそうだ。
「さっきの鍵は、こいつの、か?」
空いていた手が捕まえたのは、あたしが首から提げていたアクセサリー。
ガウリイに渡したものとお揃いの皮紐の先端につけた、金属製の錠前。
問われた瞬間、身体が硬直してしまったのを彼は見逃さなかった。
「…そっか」
望んで、望んで、望み続けていたものが手に入ったと錯覚してしまいそうになるような、
抗いがたい響きを含んだ彼の声音が、身体の隅々まで染み渡っている。
思いがけない事態に動けずにいるあたしの肩に彼の両手が掛けられて、強い力で逞しい胸の中に引き込まれた。
「っ、ひうっ」
頬にぶつかる熱くて硬い感触は、鍛え上げられたガウリイの肌。
服越しにでもはっきりと分かる、彼の感触にどきどきと心臓が壊れそうなほど気持ちが高揚していく。
真っ赤に染まっているに違いない顔も、首筋も。ううん、全身が燃えるように熱くて、今にも胸が張り裂けそうだ。
「この鍵を。オレが持っていて、いいんだな?」
ゆっくりと、確かめるような口調でご主人様に問われて、あたしはすっかり観念して、小さな声で「はい」と答えた。
すると、錠を弄んでいた手が顎に掛けられて、そのまま顔をあげさせられた。
まともにガウリイの顔を見られなくて目を細めたあたしの前髪を掻き揚げて、そのまま額からバンダナも取り去ってしまう。
肌の上を滑るガウリイの指の感触に、くすぐったさと同時に感じたのは紛れもない快感で。
「…ならば言え。お前は、オレの?」
そこで言葉を切ると、ご主人様はあたしの顎に掛けていた手を再び口に押し当てると、二本の太い指であたしの唇を割り、口を開けさせて
突然の行為に驚き縮こまった舌を挟むと、外へと引っ張り出してしまいました。
「誤魔化しの言葉などいらん。ありのままの、リナが隠してきた本心を曝け出せ」
キリ、と、舌に爪を立てられて走った痛みに、勝手に涙が滲んでくるけど。
だけど、あたしは答えなきゃいけない。ご主人様がそれを望んでいらっしゃるのだから。
ごくりと喉を鳴らしたのを見てか、ガウリイはあたしの舌を自由にしてくれました。
「あたし。あたしは。身も心も全部、ガウリイ様の……ご主人様のものに、なりたいのです」
最後まで言い終えた瞬間、稲妻のように全身を駆け巡ったのは、たとえようもない幸福感と、恍惚。
真剣な顔であたしの返答を受けると、ガウリイはゆっくりと口を開いて言いました。
「……いい娘だ。だが、オレを呼ぶ時は今まで通りガウリイでいい。他の呼び方は認めない」
静かな声音の命令に、あたしはもう一度「はい」と答えたのだけど。
しかし、それはご主人様のお気に召さなかったらしく、パシ、と、鋭く軽い音が頬の上で鳴らされました。
「いいか、言葉遣いも呼び方も今まで通りでいい。オレはそんな上っ面が欲しいんじゃないからな。
賢いお前さんなら、オレが何を欲しているか、言わなくても分かる筈だろ?」
頬を打った手がもう一度ジンジン痛む同じ箇所に。しかし今度は優しく沿うように宛がわれる。
あたしはおずおずと、ガウリイの手に自分の手を添えて「ガウリイの…欲しいもの」
そっと確かめるように呟いて、ガウリイの欲しがるものなら何でも差し出そうと、心を決める。
勇気を出さなきゃ、こういう関係を自ら望んだ瞬間から覚悟していたはずでしょ。

しっかりと視線を合わせ、彼の望みを探る為に全神経を集中させようと彼を見つめる。
「……ガウリイ」
綺麗な青い瞳がまっすぐあたしを映していることが、たとえようもなく幸福で、知らず吐息を洩らしていたようだ。
「リナ、お前がオレのモノになるというなら、証を立ててもらおうか」
ガウリイは口元に男臭い笑みを浮かべると、床に落ちていたバンダナを拾い上げた。
「手をこっちに」
簡潔な指示を貰って、あたしは躊躇うことなく彼の眼前に両腕を差し出した。
縛めやすいように手首を揃えて。
無言であたしの手首を封じていくガウリイの瞳には、今まで感じた事のない熱っぽさがあった。
これから全部暴かれてしまうんだ、唐突にそう思った。
しっかりとバンダナで結わえられた手首を捉えられ、ガウリイに導かれた先には、さっきまで彼が寝ていたはずのベッドの上。
座るようにと肩を押さえられて、そのまま腰を下ろすと、すぐ隣にガウリイも座って、力強くあたしの身体を抱き寄せた。
「このままオレが何をしてもリナは抵抗しないんだな」
両腕であたしの頭を抱え込むようにしながらの、ゆったりとした口調の命令に、
あたしは「はい」と答えそうになって、慌てて「うん」と言いなおした。
総てはガウリイの望みのままに。彼がそうしろというなら意に沿うように応えなくては。
するりと服のあわせを割る指の感触を感じながら、あたしはコクコクと頷いた。
恥ずかしいのは恥ずかしいけれど、それ以上に心を満たすのは彼に求められているという喜び。
正直どこまでされてしまうのかという不安はある。けれど、ここでガウリイの命令を受け入れなければさっきの誓いを破る事になる。
あたしを支配する、所有できる唯一の人と決めたから。総てはガウリイの意のままに。
焦がれに焦がれていた手で露にされていく素肌は羞恥と興奮に昂ぶって、。
ガウリイの視線が眩しすぎて、そっと目を閉じた。
荒くなっていく呼吸が恥ずかしくて唇を噛む。
震えそうになる身体を抑えようとしても、全然言う事を聞いてくれやしなくて。
「……やめた」
唐突に、ガウリイの手が離れた。
「え?」
目を開けると、立ち上がったガウリイが剣を手にとって外出の仕度を始めているところだった。
「オレは抱き人形が欲しいんじゃないんでな。一人で留守番してるんだぞ」
冷たく言い放つと、興味が失せたと肩を竦めて出て行こうとする。
「やっ! お願い、待って!!」
心細さと見捨てられる恐怖に涙が溢れだす。
「ちゃんとするから!ね、お願いだから行かないで!!」
縛められたままの手でガウリイの服を掴み必死で縋りついても、彼は冷たくあたしを見下ろしているだけ。
「所有物が持ち主の行動を束縛するつもりか?」
……あ。
突き放すような指摘を受けて、あたしはなけなしの理性を総動員して、掴んでいた服を手放した。
自分本位の情けなさすぎる行動に恥じ入ることしかできないで、あたしは俯いたままなんとか言葉を搾り出した。
「……ごめ……ん。 いって、らっしゃい」
床に落ちる涙の染みを見つめながら立ち尽くしていると、溜息と共に大きな手が顎にかかった。
「オレの顔を見て言えよ」
みっともない顔を見られてもいい、これ以上嫌われたくなくて急いで顔をあげると。
困ったような、嬉しそうな顔であたしを見つめてくれていた。
「ガウ、リ…イ?」
呆然としているあたしの頭をいつものようにぽふっと撫でて、苛めて悪かったと謝られて。
そのままギュッと抱きしめられた。
許されたの、かな。
不安な気持ちを抱えたまま、ガウリイの身体に身をすり寄せる。
このまま時間が止まってしまえばいいのに。

「お前さんは不安に囚われすぎてただけなんだ。
今まではっきり言わなかったオレも悪いし、ずっと本音を隠してたリナも悪い。
二人揃って最後のラインを割るのを恐がってたせいでこんなことになっちまったんだし、これからはもっと素直になろうな。
オレはもう、リナが一人で悩んで壊れていくところなんか見たくないんだ」

ま、リナはこういうことする時は苛められる方がイイようだけどな。
人の悪い笑みを浮かべたガウリイは、あたしのお尻に爪を立てるとゆっくりとひっかくように動かして。
手ずから齎される僅かな痛みとそこから広がる痺れるような快感に、あたしは陶酔と興奮に酔いしれて身を震わせた。





某ぐりずり様の影響で書き始めたお話でした。

2011年10月7日(金)
もういっちょちゅうとはんぱーでGO!(たぶんR15)

内容が内容なので反転かけておきます。どこかで見たぞーって方がいたらごめんなさい。




「ぅあっ! ・・・ふっ・・・ぅふぁっ・・・」
聞くに堪えない嬌声が、暗い室内に充満している。

「・・・ゃ、やめて! きゃあっ!!」
それも、出所が自分の口からだ、なんて。

そして、このあたしを押さえつけ、思う様好き放題に蹂躙しているのは。
「・・・嘘つくなよ。 こんなに濡らして、腰振って喜んでるくせに」

腕力も、俊敏さでも、体術でも。
あたしには万に一つの勝ち目もない相手。

「・・・ぅ、ひゃっ!」
隠し所に伸びてきた指が、あたしの敏感な部分を擦りあげてきた。
口は塞がれていない。
両腕はあたし自身のバンダナで緩く拘束されている。
素肌を晒したまま、柔らかなベッドの上に転がされているあたしの腰の上には
シャツを脱いだだけのガウリイが馬乗りに乗っかっている。
幸い加減をしてくれているらしく、逃げられない程度には抑え付けられ
苦しくない程度には力を分散させているらしい。

なんて憎らしい。
なんて忌々しい。
こんな行為を強要しておいて、どうしてこの期に及んで
気遣う素振りを見せるのか。
どうして目的を果たそうともせず、ひたすらあたしを弄り続けているのか。

・・・わからない。

「何考えているんだ?」
不審そうな声と同時だった。
「ひゃう! ・・・くっ・・・ぁぅ・・・」
いきなり胸の先端を摘まれて捻り上げられた。
痛みは、ほとんどない。
絶妙の力配りで加えられたその刺激を、あたしの身体は快感として受け入れている。
ガウリイから与えられ続けている刺激を、あたしは快楽として受け止めている。

この奇妙な蹂躙劇が開始されてから、優に半刻は経過している筈だ。
でも、不思議な事に彼は一度もあたしの内に押し入ってはいないのだ。
されたのは、衣服を奪われた事と拘束を受けた事。
それから、許可もなく全身を隈なく観察されて・・・触れられている。
彼の指と、手と、触れ合う肌と、そして唇と舌とで。
それこそ、髪の先から足指の先端まで触れられ這わされ探られ続けて
もはやあたしの体表面に、ガウリイが触れていない箇所など欠片も残っちゃいない。

「なぁ・・・そんな目で睨んだってダメだぞ」
細めた目であたしを見つめ返しながら囁く彼。
足の間で蠢く男の手指にはあたしの分泌した体液が纏わりついて
ぬめりを助けに、どんな狭間にも易々と分け入ってしまう。
それなのに、ああ・・・。
「くぅっ・・・」
下腹側から差し込まれ、さんざん敏感な芽を嬲り苛めていた指は
今度も胎内を目指さず秘裂を通り過ぎ、皮膚の薄い内ももをやわやわと揉んだだけ。
「いいならいいって、素直に認めちまえば楽にしてやるのに」
毒のように甘く気だるい囁きをあたしの鼓膜に吹き込みながら、
ガウリイは軽々とあたしを玩び続けてている。

けして、核心には至らない指。
けして、あたしの内側を侵さない彼。
蠢く指は秘所には沈まず、熱い吐息を零す唇も、
あやすみたいにギュッと唇に押し当てられるだけ。
しかし首筋や胸元に触れる時には赤い痕を散らしながら
甘く意地の悪い言の葉を紡いで、着実にあたしを追い堕とそうと企んでいた。
ひっきりなしに与えられ続ける刺激は、確実に着実にあたしを篭絡し疲弊させ
陥落させんと蠢き続けて、かろうじて保っている理性をグラグラ揺さぶってくる。

最初にベッドの上で押さえ込まれた時。
あたしは全力で彼を跳ね除けようと、身を捩り足をバタつかせてもがきまくった。
冷静に考えれば、ガウリイ相手に力で抵抗しようなどとは
無謀にも程があると気づくべきだったのに。
顔面を引っかこうと伸ばした右手を捉えられ、鮮やか過ぎる手腕で
関節をキメられた瞬間、あたしの敗北は確定した。

「いたっ! ガウリイ、痛いってば!!」
力を加えられ軋みをあげる肩と腕は、あたしから集中力をも奪い去った。
簡単な呪文すら唱えられずに、涙目で許しを請うしか術はなく。
「リナ・・・両腕を出せ」
捻り挙げていたあたしの腕を放したのが先か、言葉を発したのが先だったか。
今まで一度だってやらなかった事を、ガウリイはした。
声音こそ穏やかそのものだったけれど。
抗いがたい空気を纏いながら、このあたしに服従を命じたのだ。
「・・・・・・・・・・」
あたしは無言のまま、素直に両腕を揃えてガウリイに差し出していた。
どういう結果が訪れるのか、判っていたのに。
「・・・いい子だ」
かすかに和らいだ雰囲気と共に、スッと大きな手が伸びてきて。
額につけっぱなしだったバンダナを優しい仕草で引っ張り取ると
あたしの両手を重ねて、手首の辺りを数度巻き取り縛めた。
「痛くないか?」
「ええ・・・でも、こんなのすぐに外せるわよ?」
奇妙にも、この時だけはあたしもガウリイも普通に会話していた。
粛々と行われた行為は、充分異常だったのに。

その後は前述の通り。
是非も問われぬままガウリイに押し倒されて、裸に剥かれて触られている。
衣服を一枚一枚、わざと時間をかけて奪いながら
ガウリイは露わになっていく肌の上に手指を滑らせ触れてきた。
ただ触られた、指を置かれた、その程度の事が
こんなにもあたしに悲鳴をあげさせるだなんて、思ってもいなかったのに。
トッ。
鎖骨の上に、置かれただけの彼の指先から電流のような刺激を受けて
「ひぁ!」
瞬間、バカみたいにひっくり返った声をあげていた。
「そっか。・・・じゃあ、ここは?」
真剣な表情は崩さないまま、ガウリイは次々にあたしの弱点を探り出しては
執拗に刺激を重ねて、あたしから体力を奪っていった。
いつしか悲鳴が喘ぎに変わっていったのもこの時だろう。



突然現れたゼルガディスが、事の始まりだったように思う。
「リナ=インバース あんたの身柄を確保させてもらう。
今すぐ・・・とは言わんが、身辺整理を済ませ次第
魔道士協会サイラーグ本部での対魔族戦戦略部統括長の任に着け、だと」
いきなり逗留している宿に現れたゼルガディスは
お食事真っ最中のあたしの鼻先に、呆れを隠さないまま仰々しい書類を押し付けたのだ。

とりあえず椅子を勧めながら、示された書類を手に取り細部まで確認して。
「なんであんたが魔道士協会のメッセンジャーなんて真似やってんのよ?」
紛い物ではないと判断して、そのままゼルにつき返してやる。
「いわゆるしがらみって、ヤツだ。 
今回ばかりはあんたに繋ぎをとれる人材が他にいなかったらしくてな。 
俺にかけられている罪状のうち7割を不問とする条件で
仕事を受けた。・・・というより、端から拒否権などなかったのさ。
俺達の都合やら意向なんざ、お偉方には何の興味もない。
ただ、必要だから呼びつけ、従わなければ潰す。それだけだろ?」

「で、リミットは?」

「明後日にはここを出立してもらわねば間に合わん。
俺もあんたに同行してサイラーグ入りする。そうしたら
お互い、良くて数年は籠の鳥だろうよ」

「あんたも?」
「ああ、中級上級魔族と接触、実戦経験を積みそして生きながらえている
時点で、有無を言わさず選抜メンバー決定だそうだ。
更に言うなら、俺らは証言者兼試験体でもあるらしい」
憎憎しげな、しかし、どこか吹っ切れた表情は
今までのゼルガディスのものとは違和感があった。
「んで、あんたは勝手に決められた命令に諾々と従うつもり?」

「そりゃあ内心は業腹ものだが、
代わりにいただくものはごっそりいただく算段でな。
召集に応じる条件として、協会保有の魔道書全ての閲覧許可を取り付けた」

(続きません)




ここまで書いて頓挫。
なんちゅーか、下のSSSと合わせて私はどんだけ縛るのが好きなんだとw
設定的には15巻後ある程度経ってから、というところでしょうか。

2011年10月7日(金)
どこかに出したか覚えていないのですが
ちゃんとした更新はもうしばらくできなさそうなので、拍手用と名前をつけて書きかけていたのをUPってみます。
ちゅうとはんぱーなのですが、笑ってお許しいただけると嬉しいです。





そろりそろり、足音を殺して忍び寄る。
気配を殺し衣擦れを殺してみたところで、どうせターゲットは先刻承知の上であたしを待ち構えているに違いないんだけど。
ま、なんというかこういうのもいわゆるひとつのお約束ってことで。
手には荒縄口にはナイフを咥えて進む。
進めや進め、目指す場所まであとわずか。


なぜか閉まりきっていない扉の隙間。
渡りに船と中を覗こうと顔を近づけた瞬間、内側に開く扉。
中の人物にあっさり捕まって室内に引っ張り込まれる。
「こら、な〜に物騒な格好してんだ?」
「ひょ、ひょっふぉふぇ」
とりあえずニコッと笑顔を作ってみたものの、どこから見ても不審者にしか見えないだろう。
長い指がナイフの柄をそっと握ると、口を開けろと命じられ。
薄い金属刃を挟んでた顎の力を緩めると、危ないだろ、と、そのままナイフを取りあげられた。
あーあ、武器、いっこ消失。
「それで、何を企んでるんだ?」
憮然としたままあたしの背中を押して部屋の奥に押し込むと、彼はさっさと鍵をかけた。
カチッ、という、硬質な音。
襲撃者と密室に閉じこもるなんて、あなた絶対馬鹿でしょ。
まぁ大人しく連れ込まれてるあたしもあたしなんだけど。

「んで、リナはどういった用件で来たんだ? わざわざそんなナリで、そんなもんまで持って」
呆れ顔であたしの尋問に取り掛かるターゲットこと、相棒でもあるガウリイ君は
手の中で取り上げたナイフを弄びながら、ちらちらとあたしの手元に視線を向けてくる。
右手に握ったままの荒縄は体格の良い成人男性でも拘束しうる長さがある。
これはあたしの持ち物ではなく宿の納屋から無断拝借してきたものなんだけど。
これの使用方法に関しては……できれば黙秘を貫きたい、かな。
なんとなく思いつきで、べ〜っと舌先を突き出してみた。
「〜ったく、最近のお前さんの考えることはわからん」
答えないあたしの態度に焦れたのか、ガウリイはむうっと唸ると、匙を投げたのかべたんと床に座り込む。
「で、どうするんだ? 今夜はそれでオレを縛って出かけるつもりだったのか?」
ならもうオレはなんも言わん、好きにしろ。
不機嫌そうに言うと、ガウリイは胡坐の上に両腕を置いて無抵抗のポーズをとった。
あー、これはかなり怒ってる。と言うより呆れすぎてとうとう見放されちゃったかも。
連日連夜の5連戦、当然全線全焼中。もとい、全戦全勝中で懐具合は予想以上の温もり具合。
部屋に置きっぱなしの荷物袋の中には、戦利品たるお宝さんがそりゃあもう、わんわん唸るほど詰まってる。
けど、代わりに失ったのが自称保護者殿の関心だなんて、ちょーっとそれは悲しすぎる。
でもね、理由を話したところで協力してはくれないんでしょ?
お金が必要ならちゃんとした依頼を受けて、二人で稼げばいいって言うに決まってるんだから。
個人的理由だろうが街や役人からの依頼だろうが、結局盗賊をぶちのめすのは同じなのにね。
こういうところをガウリイは筋を通したがるけど、それじゃあ全然間に合わないのよ。
それに今回は金銭だけが目的ってわけでもないし、ね。

「じゃあ、好きにさせてもらうわ」
あたしはそのままガウリイの前にしゃがみ込んで、とりあえずグローブの上からぐるぐると両の手首に縄を巻きつけていく。
ケバとか焼かずにそのまんまだから、素肌の上だと擦り傷ついちゃうからね。
それにしても腕一本持ち上げるだけで一苦労だわ。
太くて固くて無駄な肉がなくて、太さだけ比較してもあたしの倍はあるんじゃないかしら。
ガウリイは本当にまったく抵抗せず、完全にあたしのなすがままされるがままだ。
怒ったまま目を閉じてるもんだから、眉間に小さく皺が寄ってちょっぴり恐い。
めったに近づけない距離で観察しても、やっぱりガウリイはハンサムの部類に入ると思う。
睫は長いわ鼻は高いわ、形の良い唇とのバランスもちょうど良い。体質なのかヒゲも薄くてお肌の木目も整っている。
これで特別お手入れなんてものをやってないってんだから、うらやましいもんである。
おっと、近づきすぎ。彼の長い前髪に鼻先をくすぐられた。
観察を中止して手首の上に結び目をひとつ、そこからぐるりと背中に回してもいっぺん手首に引っ掛けなおしてまた結ぶ。
抱きつくみたいに両腕を伸ばしてガウリイの体を縛めていると、同意を得ているというのに奇妙な背徳感に襲われる。
「おいおい、そんなんじゃすぐに抜けちまうぞ」
縛られ具合を確かめたのか、ぶすっとした口ぶりの忠告に思わず苦笑。
なによ、そんなにあたしにがっちりしっかり拘束されたい?
あたしが本気でぎっちり縛ったりしたら、何かあった時に困るじゃない。

ぎゅっと、もう一回ガウリイの背中に手を回して・・・肩の上に頭を乗せた。
そのまま目を閉じて、みっしりとした筋肉の感触を楽しむ。
あんたは今、あたしの虜。
保護者でもなく相棒でもなく旅のツレでもない、ただの虜囚。
・・・だから。

「・・・おい。リナ?」
強烈な眠気が襲ってくる。
ぐらつく頭が落ちそうになって、慌てたガウリイが肩を動かし支えてくれるのに甘えて身体を預けた。


きっと、これであいつは近寄れない。
あんな女になんて、たとえ死んでもガウリイには近づけさせない。
ガウリイはあたしのだから、誰にもあげない、渡さないから。
困惑しているのか、そわそわと身を揺すってあたしを起こそうとする奴に
「このままでいて。誰が来ようと何を言おうと朝が来るまで何も見ちゃダメ、聞いてもダメよ。
……ガウリイ、お願いだからあたしの言う事だけを聞いていて」
血が出るほど唇を噛んで眠気をやり過ごし、増幅版の風の結界を張った。
寝るな、あたし。寝るんじゃない。寝てしまったら結界を維持できなくなってしまう。
噛み切った唇がツキツキと痛む。
これで少しは気がまぎれるわ。あたしが眠ってしまったら元も子もなくなってしまう。
じりじりとあの女が近づいてきているようだ。
心臓の上に仕込んだ呪符がじりじりと熱くなる。
「んふっ……あ、んっ……んんん……」
もぞり。と、身じろぎした瞬間だった。
体内から生まれた感覚に堪えきれず、口から妙な声が飛び出してしまう。
「リナ?」
途惑ったガウリイの声にピクリと身体が跳ねるけど、ぎゅっと抱きついてそれ以上の言葉を封じこめる。
仕方のないこととはいえ、できればガウリイには聞かれたくなかったな。
目隠しと耳栓と……ついでに猿轡も用意して置けばよかった、かも。
バカな盗賊達が寄り集まって、あたしを打ち倒す為に放った刺客は毒々しい色香を纏った美女ともう一手。
魅了の魔法と美貌を武器とするその女の男を陥す手練手管は折紙つきだという。
彼女に依頼をした盗賊達は一人残らず滅ぼしたけど、彼女はまだガウリイを諦めようとはしていない。
仕事熱心なのは感心するけど、度が過ぎれば迷惑なだけ。
それに、ジリジリと内側から熱く火照っていくこの熱。
どこで仕込まれたのかはわからないが、この調子だと今夜は一晩中苦しめられるかもしれないわね。
でもね、どんな手段を使おうとも、あたしは絶対に負けやしないわ。
くらくらと回る視界を瞼を降ろすことで遮断する。
ああ……もう、本能のままに行動できればどんなに楽だろうか。
眠るも欲しがるも望みのままに、そうできたらどんなにいいだろう。
隠しポケットからこそりと取り出した覚醒効果のある木の実を口に放り込み、ガリガリ噛んで飲み下す。
この夜を越えればあの女は手を引くだろう。
請け負った依頼期間が終わるから。
義理を果たせばそれ以上の攻撃はしてこないだろう、そう、彼女は良くも悪くもプロなのだし。
「……ガウリイ、ごめんね」
覚醒の為の刺激を求めて。という言い訳を胸に、ガウリイの鎖骨に歯を立てた。
そのまま舌を這わせればあたしの中の情欲の炎がグンと勢いを増す。
これはあたしのもの。
誰かに譲る位なら、いっそ壊れてしまえと思うほどに愛しくて愛しい……一番大事な、あたしの……なんだから。



当時つけていたタイトルは「拘束ガウ」でした。
これ、他所様に渡したり既に公開してたりしません……よね(汗)
お話ファイル多すぎて収拾つかなさすぎる……
2011年10月4日(火)
もうすぐ?

うん年ぶりに設定したキリ番の数字が近づいてきています。早ければ来週には行くかな?とのんびりと眺めています。
以前定期的に設定していた頃のスルー率とお題をいただいてから完成するまでの時間経過を鑑みるに、うちはとにかく不親切なサイトだよなぁ・・・と思うわけですが。それでもよし、尾鰭ひっぱたいて書かせてやるわぁ!という覚悟と根性のある方がもしいらっしゃれば狙ってみてください。
狙ってもないのに踏んじゃったって場合はスルーOKですよ、もちろん。

2011年10月4日(火)
来年はプチオンリーがありますよっと

夏インテでチラシ貰って狂喜乱舞した「大魔王の食べ残し」(プチオンリーイベント名)様にリンクを張らせていただきました。行けるかどうかは微妙なラインだけど、可能であればめっちゃ行きたいです。

家庭内事情の方はぼちぼちです。なんか、うちのが外に出されていたのと同時刻に上娘の同級生も家から放り出されていたそうで(汗)流石は思春期、親と衝突する事が多いんでしょうね。
まぁ、事故怪我度を越した暴走はやらかさんようにお願いしときましょう。年食ってから笑い話にできる程度に止めてくれな〜っと思う親サイドであります。
拍手にぽちくり、ありがとうございます!
急に寒くなったもんだから眠気がすごくて・・・大人しく眠ってまいります。そのうちコタツを出したらポメさん(ポメラの愛称)の出番が増えますよ。

2011年10月2日(日)
行事ごとのあとには揉め事がある

ってなわけで、土曜日は運動会でした。
朝っぱらから希望に添ったお弁当を作成してもってって競技を見学してですねぇ。
買ったばかりのポメラを空き時間に弄いながら、和やかな時間を過ごしたわけですよ。んで、風にあたり過ぎたのと直射日光にやられて体力↓して帰宅後お昼寝したわけですよ。起きたら妙に雰囲気がおかしくて、さてなんだろうと腰を上げたら相方さんの怒る声が聞こえてきて、娘’Sがなんかやらかしたと分かったわけで。
帰ってくんな!と外に放り出されたのを時間を見計らって(流石に深夜に近い時間まで放置は出来ませんので)回収に出て、説教かまして帰宅して。
娘’Sの詫び言に聞く耳まったく持たないぞ俺は完スルー敢行中の相方はほっといたら寝てるし。ま、気持ちは分かるけどさー。
正直、あんたらの諍いに巻き込まれるのはゴメンこうむる&娘’Sいい加減同じ理由で怒られるの止めて&相方もそろそろ違う対応考えろ+怒るにしても年頃の娘ってのを考慮しろ&人の休みに揉め事起こすの本気で止めて<ここ一番重要


って感じです。
あと、この一週間は先週の反動のように何も打ち込んでいませんでした。
オンオフスイッチの切り替わりが酷すぎる。のですが、新兵器ポメラさんの使い心地が良いのでこれからに期待!は…口に出したら逆になりそうなので止めときます。

とりあえず眠いです。が、寝ると色々不安なのでもうちょい様子を見ようと思います。
不貞腐れた相方が財布を狙いに来るので隠さねば!とか、すぐに心の掃除と言う名目の逃避行動に走る子の尻を叩くとか、なかなか気が休まらないです。
明朝早々にへたすりゃバトル再燃モード突入ですから。
ブルジョア直火焼きになるのはごめんこうむります、ほんっとに。

2011年9月26日(月)
そして現在…

ものの見事に筋肉痛です、両脚湿布べたべたです。
薄荷の香りは好きなので問題ないんですが、足の裏に貼った分がはがれないように歩き方がギクシャクとするのはこの際諦めます。

唐突ですが私の携帯には万歩計がついておりまして、一か月分程度記録保存がなされまして。
先週数日分の記録をバラしてみようかな、と。
木曜506、金曜8169、土曜2876、日曜11(いずれも仕事中を含まず)いちにち平均が500〜700程度のところを、金曜土曜と歩き回ればこうなりもするわ!と、まぁ、自分の年齢を振り返ったりしてみるわけですね。そしてさりげに置きっ放された日曜日の携帯さんの悲哀。
日頃から運動しとけってことですね。

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2011年9月25日(日)
遊んだり、惰眠を貪ったり

していました@この三連休。(がだしかし、実際は飛び石休、くうううっ!)
多忙な中を縫うようにして久しぶりに空さんがお泊まりに来てくれて、娘’S共々遊んでもらってました。ショッピング&ショッピング! ご飯も食べてしっかり歩いて騒いで、眠って、遊んだぞ〜!!ってのが金曜と土曜日で、日曜日の今日は日がな一日寝っころがってました。たぶんここで寝てないとしばらくゆっくりできないんだもん!
M&Wのマッサージオイルが非常に使い心地が良いのでお勧め! リーズナブルって素敵!
そろそろ毎日お湯を張る季節になったので入浴剤フィーバーもしたいな。
お泊まりの際に空さんに肩のマッサージをしてもらったんですが、その際の凝りのごりごり感にびっくりしたので、自力でゆっくり解していきたいものです。

今日は日記以外の更新はないんですが、書きたいお話は脳内に大量にあってですね、密林でポメラが安くなっているのを見つけて「買おうかなぁ」と悩んでます。
眠り際にふと書きたくなったりするので、きっとあったら便利だろうな。でも買っても使わない可能性も・・・(過去に買ったペンタブとかWEBカメラとかね!)もうちょっと考えます。

タイバニの設定資料集も欲しいんです、実は。さすがにDVDを買うほど余裕はないので、10月からの再放送録画とかで補完するつもり。土曜夜にタイバニがなかったのが寂しかったー!!

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2011年9月20日(火)
書くのは楽しい、そして、読むのも楽しいよ!

ここのところちまちまとSSとか思いついたネタを書き止めてます。
それ以上にタイバニSSを某所でがっつり読みまくってます。

素敵な作品を読んで「ぐああああっ!!」と感動したり、笑ったりしんみりしたり滾ったり。楽しみがたくさんあるってとても幸せな事です。

拙サイトのお話を読んでくださった方が少しでも同じ気持ちになってくれていると嬉しいなーとか思いつつ、今日もちまちま打ち込み頑張ります。それが即時更新に繋がらないのはいつもの事という事で、ご容赦いただける嬉しいです。
あ、そろそろいちゃいちゃ甘らぶいの書きたいです。

昨日更新した短いお話の「餓虎投身」タイトルだけはえっらい大仰ですが、これを書き始めたきっかけが飢えたガウリイ、だったと記憶していたり・・・あれ、二人とも餓えてるよねこれ。ということで、ファイル名はああなりました。
一年ほど前から書いていたものに手を加えたものです。
元々は年齢制限物オフ本に入れるはずだったりしますが、あの通りの締めくくりですので表でよし、と判断しました。ロリリナ苦手な方にはごめんなさい。アグ○ス召喚だけはご勘弁をー!!

最近読んでよかった本、山口貴由さんのエクゾスカル零。シグルイの方としても有名ですが、覚悟のススメをご存知の方がいらしたらぜひ!
それから小池田マヤさんの家政婦さんシリーズ。料理上手でど迫力の長身痩躯の家政婦さんと依頼人とのやり取りが素敵。
まだ買えてないけどお勧めなのは平野耕太さんのドリフターズ2巻。本誌でちらりと見た内容を早く一気読みしたい!言わずと知れたHELLSINGの作者さんです。ついったーでも歪みない呟きをされていて好きv

10月に参戦するライブのチケットが届きました! これで一安心!でも当日にならないと席がどの位置になるのか判らないので、ドキドキは継続中v ユバさんとご一緒する予定なのです!!

今日はうちの地域も警報が出ていたので娘’Sは学校お休みでした。明日もどうなる!?とか暢気な事をほざいていたので、明日は行けるからとっとと仕度しろぃ!とどやしつけてやっとこ寝かせました。大雨と台風のコンボなんていらない、少しでも被害が少なくて済みますように。あと明日は警報解除になりますようにっ!!

拍手にポチッとクリック、ありがとうございますv とっても嬉しいです!!
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こっちもしばらく更新できていないのでそのうち何とかしたいです。暦通りの休日には縁がないので、そのうちどっかで3連休とか取ってみたい!しかし休みすぎると収入が減る・・・orz

2011年9月17日(土)
あと少し!

今夜はタイバニ最終回の日!一週間がすっげ早く感じました!
バニチャーとか乱れ裸虎とかいろいろあるけど、最後はハッピーエンドだと信じてるから!! どきどきしながら放送を待ちわびてるところです。

結局運動会は時折小雨が降る中、無事に終了したそうです。

拍手にポチクリ、ありがとうございますっ!そして、すっごく嬉しいです!!


タイバニ最終話、死ぬほど滾りました!!

2011年9月16日(金)
久しぶりのまったり休み
一日をのんびりと過ごしました。特売のコーヒーを買いに走ったりネサフしたり、台所を片付けたり昼寝(というよりかは夕方寝)したり。重曹一袋消費した!
最近は休日に出かけることが多かったのでちょっと新鮮な気分でした。
それにしても平日のお昼ってのは招かれざる客が多いです。セールスとか勧誘とかいらない!のに、インターホンをぴんぽこぴんぽこ鳴らしまくるの。
消音設定ができないのでイラ1、出たら出たで「玄関先まで」って平気で呼びつけるし。大抵はお引取り下さいで終わりだけど、眠い時にやられるのはたまったもんじゃないです。あちらも仕事だって理解はしているけど、あんまりしつこいと流石に怒ります。

またぞろ台風が近づいているようで、明日明後日の天候が非常に気がかりです。
先日の台風被害に遭われた地域の事も心配ですし、個人的にはこの時期近隣の学校で運動会が開催されまして、ただでさえ職場のシフト状況が悪くなる(観覧のため子持ちは休む)から未婚さんにはしわ寄せ食らわせちゃって申し訳ないのと、雨天順延がかかると親も子供も職場も予定が狂うのが困りもの。今年はひさびさに延期かかるかなーと思いつつ、明日のお弁当の支度をするわけです。

最近また石鹸フィーバーがやってきました。
もともとあれこれいろんな薫りを試したりコレクションするのが好きだったんですが、一時財政難の折にあるもので我慢するべし!って手を止めてたわけですよ。
それが先日の梅田でうろちょろをきっかけに見事に再燃、DSやら専門店やら覗きまくってお気に入りを探す日々。試す体は一つなので大人買いはしないんですが、その分ネット通販の成分表やら説明を読み漁ってうっふふvとかやってます。
久々にアレッポの石鹸も使いたい。幸いこれは近所のコープさんで売っているので、普通のを購入して半切りにして乾燥&熟成させたいな。基本固形ソープ好きなんですが、ボディソープでもいいのがあったら情報プリーズです、あんまり高価でないやつを(笑)

伊右衛門のグリーンエスプレッソが美味しい! 
2リットルボトルで欲しい!と叫ぶだけ叫んどきますw

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2011年9月14日(水)
貝殻工房さんにリンクを貼りました。ぺったり。

先日のインテコピ本表紙を描いてくださったほかにも、いつもいつでもすちゃっとペンを握って素敵なガウリイで身悶えさせてくださるKaiさん宅にリンクを貼りましたのです。
正直、何で今まで貼ってなかった!?的感じですね。
擬人化やMH好きさんにもお勧めですv

拍手にパチポチッとクリック、ありがとうございます!めっちゃうっれしいでっす♪

2011年9月13日(火)
世界よりも大切なあなたに告ぐ
なにがどうしたってどう転がったって何も変わりやしないんだから、おとなしく腹括ってあたしのもんになりなさい!
って、ねぇ。
そう言えたら。もしも言えていたなら、あの日のあたしにもっと勇気があったなら。
きっと未来は全然違ったものになっていた?

明日にはあたしじゃない女性(ひと)の手を取るあなたに、あたしは告げよう。
めいっぱい、幸せにならなきゃドラスレだからね!って。



目を細めて笑う様が好きだった。
大人なのにくるくる表情が変わる、まるで少年みたいなところもね。
綺麗な、綺麗な金色の髪。蜂蜜みたいで見ているだけで甘くってさ。
そのくせ、本気で怒るとど迫力だし、背中を預けて戦う時はいつも安心していられたわ。
掛け合い漫才とか夫婦漫才って言われて揃って否定してみたりさ。
あたしたち、最高のコンビだったよね。
寝ぼけていても綺麗なままのアクアマリンに口付けたのは、きっと悪戯の一環だったと今でも思ってるでしょう?あ、でもそんなこと、とっくに忘れちゃってるよね。
あんたの記憶力って、ほんっと、当てにならないんだもん。

いつまであなたの記憶に残っていられるか、実は全然自信がないのよね。
だから『新たな門出を祝して』ってのを口実に、眠るあなたの夢枕に立ってみたんだけど。
ねぇ、野生のカンはまだ健在?
あーあ、涎なんてたらしちゃって。もう、せっかくの色男も台無しじゃない。
緩んだ口元にキスをして、舌先であたたかな雫を拭い取る。
甘露。
味なんてない筈なのに、甘くて、甘くて。じわりと胸の奥があったまる。

バカだなぁ。
こんなことしてたら、みんなに怒られちゃいそうだ。
逃げて、逃げて、逃げまくって。
幾多の手を使い、名を捨て、姿を捨て、この世界をも捨てて一人好き勝手に旅立っちゃったことを、今でも彼らは許してくれないだろう。
それでも、知りたかった。
何を犠牲にしても、知りたかった。
自分の中に眠っている力の正体を、知るためだけに総てを捨てた。
あたしにとって、一番大切なあなた。
あなたを連れて行くわけにはいなかった。旅立つ理由すら伝えられなかった。
もしも引き止められたら、きっとあたしは旅立つ事を断念していただろうから。

笑い皺の刻まれた頬を撫でながら、歳月の流れを思い知る。
あなたは、あれからどうして暮らしていたの?
どんな人と出会いどんなものを見ていたの?
かつての恋敵はあなたを称して王子様と言ったけど、そんなに貫禄が出てちゃあもう王様って呼ぶしかないわよね。

時を止めたあたしと。
時を刻み続けるあなた。

黄金色のベールを被った王様に告げる。
今度こそ、間違えちゃダメだからね。

おとぎ話の終わりはちゃんと、『そして二人は幸せに暮らしましたとさ』で締めくくらなきゃ。

さて、次はどの世界に旅立とう。
名残惜しさを振り切り踵を返して、空間を渡るためのゲートを開く。
今度この世界に戻ってこられるのはいつになるやら。
混沌の海に浮かぶいろんな世界を巡って歩き、敵を屠り真理の欠片を集めていって。
終わりのない旅の果てに、いつか満足できる日が来るかもしれない。そう信じてあたしは行くわ。

「……ナ」
っ!?
この世界では物質化していないはずの、手を、掴んだ手。
温かくて、ちょっとかさついてて、力強くて大きな手。
「行くなら、オレもつれてけ」
ぶっきらぼうな言い方だけど、篭った思いは真剣そのものだと否が応でも判ってしまう。
なに、言ってんのよ。
明日、あんたは。
「世界で一番大切なお前さんに告げる。大人しくオレを連れてけ、でないと明日、世界一不幸なだけの夫婦が誕生しちまうぞ」

「なにを……ばか、な」
「一番愛した奴と結ばれない奴と、公式に姿を見せられる姿の夫が必要な奴との打算的契約でしかないこの結婚に、最初から幸せなんぞ生まれるわけがないんだよ」


人の姿が邪魔だと言うならいつだって捨てる。だから、オレを連れて行けよ、リナ。
わざわざこんな夜に訪ねてきた位だ、お前さんだってオレに未練たらたらなんだろうに。


畳み掛けるように重ねられる言の葉が、あたしの意地を溶かしていく。
彼があたしを捕まえられたのは、彼の言うとおりに、あたしの方に彼に対する未練があったからに違いない。

「じゃあ、行く?」
発火してるんじゃないかって位に熱い顔は、きっと溶岩よりも真っ赤に違いない。
「ああ」
応えた声は、さらっとしてるくせに覚悟の程はきっとダイヤモンドよりも硬くて純粋。

そしてこの夜。
世界から男が一人、姿を消した。
誰よりも幸せになった男は名を捨て、姿を捨て、世界を捨てて。
そして、彼にとってもっとも大切な彼女と同じものになった。




なんとなくてれ〜んっと書いてみただけのSS。
たぶん拍手に置いてる鬼リナさんの亜種かなんかです。



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2011年9月11日(日)
手違い、やらかしました

さっき気付いたんですよ。
インテ無配SSSページ、調整中の文章までアップロードしちゃっていたことに。
もしかしたらどなたかの目に触れているかも、という可能性を考えた結果、調整したとこまで出しておく事にしました。まだ続きますので今しばらくお待ちいただけますようお願いします。っていうか、最近ウッカリ率が上がってます(凹むね)

タイバニ24話に滾り捲りました!!特にBパート!! あと一話で終わるなんてもったいない!!
もっとあの二人が見たいわぁぁぁ!!と、今もごろんごろんじたばたじたばたしています。

2011年9月10日(土)
昨日はとまきゅうとすかゆみKaiさんと会ってきました
やっと念願の生とまきゅうさんを見てきたわけですがっ!!
栗鼠さんが月間栗鼠さんになったりKaiさんが週刊Kaiさんになる理由が良く分かりました。
とまとさん&きゅうりさん、可愛すぎるにも程がありまくりました!!
なんかね、猫じゃらしで遊んでもらってると脳内からもっは〜んってデレデレっとなる何かがダダ漏れになってた。絶対なってた。
結局家主様と喋るよりもとまきゅうに萌えまくって2時間以上じゃらしで遊んでもらってましたw 持参したネズミのおもちゃが5匹連なった ねずみちゃんパレード、だったか、そんな名前のおもちゃでフィーバーとまきゅうらぶらぶタイム爆発。

その後、カラオケ行きたいのーってことで、少しだけカラオケ行ってタイバニOP歌ったりしたんですが、Kaiさんとゆみこさんがマジラブ1000%ですっごい盛り上がりを見せてビビリましたw ほんっと、弓子さんマジ弓子さんだったwww
Kaiさんが描いた猫ガウさんの争奪戦にも負けたし・・・orz 弓子さん最強伝説は健在です。

すからさんは相変わらず弓子さんとじゃれてて、見てるだけでこう……ほっこりしますねw

で、預かりものを忘れないようにと荷物を纏めた筈が、帰りの電車で読むつもりで購入した漫画をすかゆみさん宅に忘れて。気付いたのが電車の中だったので諦めてそのうち取りに伺います。もちろん、新たな武器(×)おもちゃ(○)を持って♪

拍手ボタンにポチッとクリック、ありがとうございました♪


明日もお仕事なのでタイバニだけ見たら大人しく寝ます。
って、見る前からまったく寝られる気がしねぇ!!

虎徹さんに幸せを!!バニーちゃんにもな!!
カップリング嗜好は虎兎虎(リバおっけ!)、空折、月楓です。炎牛も萌えますv
2011年9月9日(金)
今日はとまきゅう見学の日!

ということで、午後からKaiさんと一緒にお出かけです。
出かける前に晩御飯の仕込をしながらなんとなくぺちぺち打ち込んだのを投下していきますね。


手を繋ごう

唐突に、手を握らせてくれないか、と言われて、きっときょとんとした顔でもしたのだろう。
あたしの反応を見てすぐに、奴は「ああ、変なことを言って悪かった」と、差し出した手を引っ込めようとしたんだから。
「いいってば、ほら!」
逃げようとする大きな手を捕まえて、ぎゅっと両手で握り締める。
硬くて骨ばった触感に、やっぱりガウリイって男の人なんだなぁ、なんて分かりきった事を考えた。
ちなみに今のあたし達はグローブをつけていない。
素肌同士の手を重ねあって、向かい合って立っている。
ここが誰もいない場所でよかった、と、心底思う。
だけど流石に宿の廊下、それも大浴場の入り口前とくればじきに誰かが通りかかってもおかしくないので、とりあえずあたしは部屋に移動しようと提案してみた。


子供の手を引くようにして、大きな図体の自称保護者殿を引っ張っていく。
や、なんかうっすら頬を染めているように見えるのが可愛らしいって言ったら、彼は怒るだろうか。
それよりもあたしのほうもどうしようもなく頬が熱くて仕方がない。
部屋に着くまで誰ともすれ違わずに済んだのは行幸だった。

どうしたって照れてしまうのはしょうがないではないかと、彼の顔を見ることは諦めて、視線を喉のあたりへと持っていく。
ごくり、と、太い喉が動いて喉仏が上下する。アダムのリンゴとも呼ばれる、男性的象徴の一つであるそれ。
薄い皮膚を押し上げるそこに、口付けたいと思ったのは気の迷いではない筈だ。
衝動には正直に、欲しい物は全力で、そう、それがあたしの信条ではないか。
きっと彼は大人であろうとして、あたしの気持ちを量ろうとしてこんな事を言い出したのだろうが、そういうもったいぶった(彼なりの逡巡とかだなんて思ってやらない!どうせくらげ頭であれこれ悩んだ挙句にやらかしたことだろうから!)行動する前に言葉で気持ちを伝えなさいよ!とダメだししたくなるのを堪えて、どうしたのよと聞いてやれば、なんでもなかったんだとはぐらかされる。
そんな状況じゃないでしょ!と、不満を口にしたところで、一旦こうなってしまうとガウリイは頑なな態度を崩さなくなる。
別に二人っきりなんだしいいじゃないか、と、あたしなんぞは思うんだけど、彼はそう思わないみたい。

結局、じれったすぎる展開に焦れて「ね、手を繋ぐだけでいいの?」と、甘ったるい囁きを吹きこんだあたしは、目論見どおりに彼の頑なさを溶かすことには成功したんだけれど。
予想以上の急展開にに目を白黒させるハメになるとは流石に思ってなかったり。

……けど、ま。

嫌じゃないからいいんだけどね。

拍手ボタンにポチッとクリック、ありがとございますv
次はどれに手をつけようかなーと考えるのが楽しいです。
下に投下した傷だらけのシルバーはもう少し続きます。

2011年9月6日(火)
傷だらけのシルバー
 

 夕暮れ時の部屋は薄暗く静かだった。
 街外れの古びた貸し宿の一室で、リナはくったりと寝床に身体を投げ出して、自らの左手を眺めていた。開いた左手の薬指、そこに嵌った細身のシルバーリング。
 ずっとつけていたためかすっかり指に馴染んで外せなくなった。
 そろりと右手で触れても、金属特有の冷たさは感じなかった。
リナの体温を宿した指輪は『既にリナの一部になっているのだから』と訴えているようだった。

 「……外すには、切らなきゃだめかな」
 彼女の呟きに力はなく、落とす視線もまた輝きを忘れたようにどこか遠く、儚い。
 かつて彼女が纏っていた生命力の塊のような気配はいずこかに消えうせ、今、こうしてここにいるリナは抜け殻のようだった。


 ―――手入れを怠った銀は、たやすく輝きを失いくすんでゆく。
 時を経るに従い、黒く、黒く。
 殻のように表面だけを酸化させ、内側に華やかな白銀の輝きを閉じ込めて。
 誰にも見せないようにひっそりと朽ちていく―――


 結論を先に持ち越したリナは、味気ない夕食を終えて自室に戻った。
 宿の者が灯したのだろう獣脂の明かりが気に入らなくて、ぼそぼそとライティングの呪文を唱える。
 光量を抑えた分、持続時間を長く。
 どうせ今夜もロクに眠れやしないのだ、ならば最初から朝まで保つようにすればいい。



 腰掛けた寝台は軽く軋んでリナの身体を受け止めたが、その感触は冷たいだけでちっとも安らげそうにない。
 『失ったものの大きさに気付くのが遅すぎたのよ』
 そう呟いて笑おうとしたが、ぎこちなくしか動かない頬と唇が彼女の強がりを拒絶する。
 左手の指輪が鈍く輝いたのを見て、リナは身体の内に凝っていたものが溢れそうになっているのを知った。
 ギッと奥歯を噛み締めて、叫びださないよう両手で口を塞ぎ瞼を閉じる。
 大丈夫、大丈夫。あたしは、まだ大丈夫。
 幾度かの深呼吸と呪い事を繰り返すうちに、ゆっくりと落ち着きを取り戻していく身体。
 「……ほんと、しょうがないわね」
 唇に触れる硬い感触、薬指のシルバーリング。あの日以来、手をかけずにいたもんだからすっかりくすんでしまって。
 「いいかげん、諦められればいいのに」
 指輪を見るたび、触れるたびに胸の奥から湧き上がるひりつくような衝動も、いつの日にか重ね続けた苦笑いと一緒に上手にやり過ごせるようになると思ってた。
 時間の経過がいつかあの日の気持ちを心の奥深くに眠らせてくれるものだと信じていたのに、
 どんなに新しい記憶の山を築いても築いても、最後には砂礫の底から黄金色の輝きが姿を見せる。
 瞼を閉じるだけで思い出せてしまう、広い背中とその上を流れ落ちる黄金色の髪。
 軽くあげた右手、穏やかな面差しと視線で包み込んでくれるような優しい色の青い瞳。
 穏やかな笑みを浮かべてあたしを見て、「じゃああとでな」って。
 無条件にあたしを信じてくれていただろうあの人は、今どうしているのだろうか。
 ―――彼と。
 ガウリイと別れてどの位経っただろう。
 一人旅に戻ってからも、何かがあるたびいつも右の後ろを窺ってしまったり、良く似た背格好の人をつい目で追っていたり。
 彼と一緒に過ごした日々の記憶と温かく包み込むような彼の気配を、こうして別れた今も身体に染み付いて忘れられないのだと諦めがつくまで、結局こんなに時間がかかってしまった。
 「けど、さ。 あたしに都合の良いような綺麗な思い出にするのもね」おこがましいと思っちゃうのよ。
 誰に言うでもなかったろうリナの言葉を、くすんだ指輪だけが受け止める。
 「ね、あんたを手放せばいつかはあいつを忘れられるかしら」
 くるりと回転させた指輪、手指に馴染みすぎた指輪。
 ガウリイから貰った、大切だった指輪。
 照れ臭そうに笑ってつけてくれた、世界で唯一つのもの。
 
 荷物袋の中から磨き布を取り出してくすんだ指輪を撫でていく。
力は篭めないで、優しく、優しく。
 すると、さっそくくすみの中から顔を覗かせた銀色の輝きに、口元が綻んでいく。
 丁寧に、隅々まで磨き上げてやろう。
 つけたままだから内側は無理でも、触れられるところは全部綺麗に磨き上げてやりたい。
 そうして、ガウリイにもらった時と同じ輝きを取り戻したら。
 この手で壊して、そしてどこかに埋めてしまおう。
 彼を愛した気持ちを葬るように、この指輪を身代わりにして。
 
 「……なによ」
 リナの手が、止まる。
 「ちっとも、綺麗にならないじゃない」
 震える呟きと共に、リナの手から磨き布が落ちる。
 ぼやけていく視界の先で、細かな傷を抱えたままの銀色が何かを訴えかけるように輝いて。
 震える唇を指輪に押し付けて泣くうちに、いつしかリナは眠りの海へと沈んでいった。


2011年9月4日(日)

週末っていうか、ほんとぎりぎり。日曜日が終わるまで残り30分ってところでのSSS更新となりました。それもまだ続くとか、ほんっと、酷い。しかも今後もこんな感じでのんべんだらりとした更新しか出来ないと思われますので、気の向いたときにふらりと覗いていっていただけると嬉しいです。

拍手にポチッとクリック、ありがとうございます。
拍手のほうの更新も近い内に・・・ってここで発言すると遅れそうなのでお口チャックで。
いただいたメッセージ、とっても嬉しいです!
8月27日の方>返信不要とありましたが、一言だけ!
続きを望んでくださってありがとうございます!ガウリイサイドの続きも頑張りますので!!
8月28日明夜さん
あとでメール差し上げますので!ぎゅうっ!!


近況と言いますか、つらつらと。
最近はどっぷりタイバニに嵌ってます。土曜日深夜と月曜夜の放送時には目をランランとさせてTVに釘付けです。うん年ぶりに腐の血が滾って滾って自分でもここまで嵌るか!とびっくりですよもう。ピクシブのタイバニ小説読み耽りまくって堪能。兎虎空折さいこー!!
素敵な作品をたくさん読むと、自分もあれ書きたい、これも書きたいと意欲が湧いてきます。あくまでもガウリナで、ですが(笑)
あとまどマギもDVDレンタルが出ると借りて見てます。あと一本で終わりなのが寂しいです。
パンストが近所には置いていなくて、いいかげんネットレンタルに手を出すべきかと悩んだり。

日記が途絶えている間に梅田界隈をうろついたり、美味しいジェラート食べたりかわいいもののお店を冷やかして回ってました。気分転換というか、まだ問題はあるもののようやく一番重たいものが降りて頭がパーン!ってなったっていうかw
ようするに我慢のしすぎはよくないようです。ようやく相方が落ち着いてきたのでちらっと羽伸ばしたくて!しかし気持ちと身体は別。とか書くといやんばかんなリナさんの話を書きたくなったり<マテ ちょっと体調が芳しくないので、無理しない程度に動こうかな。とか。

栗鼠さんからは有川さんの入浴剤つき小説を送ってもらったり(近所で手に入らないって嘆いていたら送ってくれたの、マジ感謝!) 友人の入籍が決まって指輪の下見に付き合ったり別の友人が出産して、子供の名前が彼女の好きジャンルに関連したものだと気付いて、ツッコミを入れるべきかと迷ったりしながら、やっとこ迎えた新学期!! 休みの日に一人になれる幸せよ、お帰り、そしてお帰りなさい!!すかいはーい!!って叫んでたりしています。