恋愛セリフ 5題

1、「大好きなの・・・」



「ガウリイ・・・」

「リナ・・・」

宿の一室で向かい合い見つめ合う二人。

獣油の明かりは薄暗く室内を照らしながらジリジリと油煙を燻らせ。

ゆっくりと。

ガウリイの手がリナの肩に乗せられた。

「大好きなの・・・」

手が触れた瞬間、ピクリと身じろぎをしながら吐息に混じらせリナが呟く。

「ああ、オレもだ・・・」

優しく微笑みながら返すガウリイ。

そして二人は見つめあい。
同時に言った。



「「突撃準備OK(か)!?」」



そして二人は目と目で互いの気持ちを確認した後、
颯爽とした足取りで食堂へと向かった。

そこで開かれている催し物、それは豊穣祭にかこつけたイベント
「恋の果実をどこまで齧れるか!!リンゴ料理大食いコンテスト」

そこかしこでは昨年仕込まれたシードルやカルヴァドスの試飲会に
リンゴ料理品評会、さらには苗木販売に果実の販売まで
多種多様なテントが建てられそこかしこに人の山が出来ていた。

ここの食堂はかなりの広さがあったために、大食い大会の会場となり
昨夜の食べっぷりを認められたリナ&ガウリイは飛び入りゲストとして
急遽参加する事になったのだ。

「あたし今朝から殆ど何も食べてないからっ!!」
「オレだって負けんからな!!」

一列に机に並ぶ挑戦者達に混じりながら、二人はワクワクと胸を高鳴らせつつ、
フォークとナイフを握り締め。

スタートの鐘の音と同時に、目前の皿めがけて襲い掛かった。